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義足ランナーによるマラソンレポート ~痛みの軽減と適切なフィッティング~
松本 功 (下腿義足ランナー・大阪府・55歳)
2015-02-02
2014年11月23日神戸マラソンを完走した中に1人の義足ランナーの姿があった。両手を上げての晴れやかなFINISH。5時間39分27秒。堂々の自己更新である。
9歳の時に肉腫による右下腿切断。50歳よりウォーキング開始。52歳でフルマラソンに初参加。以後毎年フルマラソン2本、ハーフマラソン3本に参加している。
今回は、バウアー製品を装着し、フルマラソンを完走された松本様のチャレンジングなレポートをお届けいたします。
膝の痛みへの適切なフィッティング
従来より、ランニング・マラソンをするなかで健足である左膝の痛みを抱えていました。20km以上の長距離ランの際に膝の外側と膝蓋骨正面下側に痛みがあり、足首から足裏にかけての疲労感。また、くるぶしと外反母趾にも痛みを感じ、走行後30km以上ではふくらはぎの筋肉痛を抱えながらの走りでした。
そこでKAWAMURAグループの義肢装具士から膝サポーター「ゲニュTrain」の提案、適切なフィッティングを受けたところ、膝の痛みを軽減することができました。
神戸マラソンにて
左足にかかる負担を軽減するために、今回のレースでは新たにバウアーファインドの下記3点のアイテムを使用しました。
○ ゲニュTrain 黒 (画像1)
https://www.p-supply.co.jp/products/51
○ COMPRESSION SOCK TRAINING ハードコール/リベラ( 画像2 )
https://www.p-supply.co.jp/products/488
○ コンフォートスポーツ( 画像3)
https://www.p-supply.co.jp/products/431
ゲニュTrain 黒
COMPRESSION SOCK TRAINING ハードコール/リベラ
コンフォートスポーツ
痛みの軽減について
膝の痛みについて
20km過ぎても膝に違和感はなく、全く膝の痛みは意識せずに走れました。スタート時からゲニュTrainはズレる事なく快適に装着できており、しっかりと膝を守ってくれている感覚です。30km超えても膝には異常なく、ゴールまで痛みは出ませんでした。
ふくらはぎの痛みについて
筋肉痛は少しあるかないか程度、COMPRESSION SOCK TRAININGハードコールの装着によりふくらはぎもしっかりとロングタイツをはいたような装着感で気持ちよく、疲労感はありませんでした。神戸マラソン当日帰宅後の夜、義足をとって片足でけんけんができました。
足首、足裏について
不思議なくらい、痛みがまったくありません!30km以上のランでは必ず足首から足裏にかけて痛みが出ていたのが今回はまったく痛みませんでした。くるぶしと外反母趾もいつも痛むのですが痛みはありませんでした。
COMPRESSION SOCK TRAININGハードコールとコンフォートスポーツ装着により足裏の土踏まずが、しっかり守られている感じで安心して走れました。
神戸マラソン1
フルマラソン自己ベスト記録!
今回の神戸マラソンでは、直前になって完成したばかりの義足ソケットで走る事になり、不安の中スタートする事になりました。そのため、健足側にはかなりの負担があるのでは、と思いましたが、今回使用したバウアーファインド3点セット①ゲニュTrain?COMPRESSION SOCK TRAININGハードコール③コンフォートスポーツの組み合わせによって、レース中ほとんど健足側の事を意識せず安心して走れました。
いつもは機能性ランニングタイツのロングタイプを履いていましたが、今回は機能性ランニングタイツのハーフパンツを履き、左側の健足側へ3点セットを装着したところ、大腿部から足部まで、まるでしっかりテーピングをしてロングタイツをはいたような感じでした。カラーは黒系を使用したので見た目もカッコ良く、特にCOMPRESSION SOCK TRAININGの色づかいがキレイで気に入りました。私のような片足義足だとロングタイプのタイツは装着がちょっと面倒で、義足側の膝下をカットして使用していましたが、ハーフパンツにこの3点セットの方が装着しやすくていい感じです。
レース10kmを超えたあたりから、やはり新しい義足ソケットで断端に痛みが出始め、以降義足の痛みと30km以降の足の痙攣と戦いながらのレースとなりました。
残念ながら目標の5時間にはほど遠い記録でしたが、フルマラソンの自己ベスト記録が出せました。これまでのフルベスト5時間45分。今回は5時間39分27秒。
義足の事で辛い状況でしたが、バウアーファインド3点セットのおかげで少なくとも健足側の不安、痛みはまったく意識せず走れたのが今回の記録更新につながりました。もちろん、42.195kmを走ったので全身筋肉痛ではありましたが、神戸から吹田までの帰宅時の駅階段、満員の電車内も立ったまま、ゾンビ歩きではなく家まで歩いて帰ることができました。
神戸マラソン2
走る喜び・つながる喜び
以前より、パシフィックサプライでは、ランチャレ(ランニングチャレンジ)というイベントを開催し、義足ユーザーの走ってみたい!スポーツを楽しみたい!その願いを応援してまいりました。
今では切断者スポーツチーム
大和鉄脚走行会 https://www.facebook.com/DaHeZhiJiaoZouXingHui/info
ブレンジャーズ https://www.facebook.com/Burenjazu?fref=ts
と関西地区でも同じ志しを持つメンバー(義足ユーザー、ドクター、理学療法士、義肢装具士、セラピスト)が集まり走り方の練習に励んでいます。
今回マラソンレポートを寄稿いただいた松本様もブレンジャーズチームのメンバーであり、自らデザインしたチームユニフォームを着用しての神戸マラソン出場でした。2月20日に走る東京マラソンでも松本様の颯爽としたランニングが、東京の街を駆け抜けることでしょう。
ブレンジャーズ face bookより
松本様ブレンジャーズでの走り
東京マラソンEXPO2015 ブース出展
2015・2・19(木)~21(土)東京マラソンEXPO2015 でもKAWAMURAグループの義肢装具士がスポーツ分野に進出し、正確な計測とフィッティングやアドバイスを行います。是非ご来場ください。
場所:東京ビッグサイト西展示棟 西1・2ホール
〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1
パシフィックサプライ㈱出展ブース 西1ホール ブース番号 G49
http://www.p-supply.co.jp/app/webroot/bauerfeind/expo/
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