パシフィックニュース
車いすで広げよう イベント紹介
車椅子/姿勢保持
パシフィックサプライ株式会社 卸事業本部営業部東京営業所 戸室 浩司
2014-01-01
私たちは車いすで広げよう!!というイベントを2009年11月から実施しております。
開催地も広がり、14都府県で計38回(2013年10月末現在)にもなりました。
「でも、いったい何を広げるの?」
そんな質問も頂くこのイベント、どんな様子かご紹介致します。
「もう少し!」
「おっ~!」
「できた!」
拍手が次々と響きます。車いすで広げよう!!のクライマックスは段差越えのトレーニングです。
最初は遠慮がちだったお子さんも、この頃には積極的にチャレンジしています。その表情には、笑顔と自信が表れています。
『車椅子のこぎ方』と改めて考えてみると…周りの人に説明できますか?しっかりと習ったことはありますか?自己流で、動かすことができれば…良いのでしょうか?
今まで何となく動かしていた車椅子にも、楽にこぐことができるコツがあります。
車いすで広げよう!!は、車椅子で動く基本を学び体験するイベントです。
ハンドリムへの手の添え方・腕の回し方といった基本的なところから、車椅子での曲がり方・止まり方などの操作方法、ドアの開け方・キャスター上げ・段差の越え方といった応用までを皆さんと一緒に練習していきます。
講師は、車椅子インストラクターの岡野善記さんです。ご自身も車椅子ユーザーで、スウェーデンで操作のノウハウを取得してこられました。
段差の越え方の練習
車いすで広げよう!!も回数が重なるにつれて、二度目や三度目の参加となる方々も増えてきました。久しぶりの再会、その成長ぶりには驚かされることが多いです。
もちろん、車いすで広げよう!!の内容が良かったから・楽しかったからということもありますが、講師の岡野さんに会いたいために参加される方も…。また、私たちスタッフのことを覚えていて頂けることもあり、その喜びはひとしおです。再会の時に、できることが増え行動範囲が広くなっていると、自分のことのように嬉しく感じます。
そんな出会いのあるイベント車いすで広げよう!!が、だんだんと気になってきたでしょうか。
では、さっそく!という場面ですが、トレーニングを始める前の大切なことがあります。身体に合った車椅子に乗ることが、まず何よりも前提です。ご自身用に作られた車椅子でも、現在の身体状況に合っているかを確認します。また、デモ用のマイラ社車椅子に乗り換えての練習ももちろんできます。その場合には、できるだけ身体に合うよう調整してから始めます。タイヤの空気の量ひとつだけでも、こいだ時の気持ちよさが全く違いますよ!車体の違いや調整の仕方によって、使い心地が変わってくることが分かると、車椅子の選び方のポイントも見えてきます。
そして、車椅子に乗って参加するのは、ご本人だけとは限りません。ご家族も一緒に車椅子でトレーニングができます。 普段と違った視点で一つのことに取り組むことは貴重な経験となるはずです。例えば、お子さんがご両親に車椅子のこぎ方を教えたり…。その結果、翌日からの生活に変化があるかもしれません。
車いすで広げよう!!には、車椅子のことだけではなく、一緒にトレーニングを行うことで、学び、吸収できるチャンスがたくさんあります。
- 自分の順番がくるまで、ちゃんと列を作って待つ
- 同年代のお友だちを作って、お互いに励まし合う
- 初めて会う大人の人とも、とけこんで会話をする
いろいろな年代や環境にある人が集まることでの経験です。
もちろん、思い通りにならないこともあります。うまくできなくて、悔しい思いをすることもあるでしょう。疲れて、身体が思った通りに動かないこともあるでしょう。できないから、あきらめてしまいますか…?
そうではないですよね。
そんな時には、ご自宅でも練習できるようなヒントをお伝えし、今できなくても引き続きチャレンジできるようなアドバイスもしています。
トレーニングの一日はあっという間です。休み時間でも目一杯走り回るくらいです。
車いすで広げよう!!に来た時には車椅子を押されて入ってきたのに、帰りには自分自身でしっかり車椅子をこいで出ていく姿まで見られることがあります。
短時間でも大きな成長を見ることができる、そんなイベントです。
みんなで一緒にトレーニング
ドアの開け方の練習
では、結局、車いすで広げよう!!とは何なのでしょう?
最初の問い…「いったい何を広げるの?」を思い出してみましょう。そろそろ答えが見えてきませんか?テクニックだけを覚えて練習するのではなく、トレーニングを通じて、さまざまな「学び」を得る機会です。また、自分で何かをする、何かができる、そんな自信を得られるきっかけ、とも言えます。
- 新しいテクニックを知り、できるようになる達成感
- 新しい仲間を作り、協力して練習する連帯感
- 新しい世界を見つけ、そこに向かってチャレンジする勇気
これ以外にも、得られるものは多々あるはずです。車椅子の生活だからと萎縮しあきらめることは、やめませんか。
車いすで広げよう!!を通して、考え方を広げ、気持ちのありようを広げ、皆さんの未来を広げてほしいと、私たちは願っています。
講師の岡野さんと子どもたち
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