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選手の怪我予防を目的とした装具利用の取組み

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選手の怪我予防を目的とした装具利用の取組み

関西学院大学体育会アメリカンフットボール部 FIGHTERS

株式会社プロフェッショナルトレーナーズチーム 渡邉 真一 (理学療法士)

2014-07-01

2013年度学生リーグチャンピオン関西学院大学 アメリカンフットボール部FIGHTERS。チームを勝利に導く為に、また選手の健康管理から傷害予防にいたるまでをプロフェッショナルトレーナーが支えている。今春よりFIGHTERSは選手の怪我予防対策としてアングルブレイス&ニーブレイスの導入を開始した。

選手の実力はもちろんであるが、学生選手の競技人生を守ろうとするトレーナーの高い専門知識と倫理観が強豪チームをさらにブラッシュアップさせているのかも知れない。

傷害予防の取り組み

2011年1月より、母校の関西学院大学アメリカンフットボール部のメディカルスタッフとして活動を開始しました。主な業務はけがをした選手のリハビリですが、学生トレーナーの指導、防具や装具の選定なども行っています。コンタクトスポーツのため、年間におよそ300件の外傷が発生します。特に下肢の怪我が多く、中でも足関節捻挫は頻繁に発生します。足関節捻挫予防のため、テーピングもしくはアンクルブレイスを装着することを義務づけております。2013年度からは、膝関節の障害予防として、ラインマンに対し、ハードタイプの膝装具を装着するようにしました。

オズール社ニーブレイスCTi OTS

アンクルブレイス導入のきっかけ

近年部員数が増加し、選手数だけで150名を超えるようになってきました。部員の増加に反して学生トレーナーの人数が減り、常勤の社会人トレーナーも居ないため、それまでの体制を見直し、業務の効率化を図る必要がありました。学生トレーナーの業務を洗い出し、最も時間を割いていたテーピングを自分で巻けない部位だけ巻くように、必要最小限にする決断をしました。

マレオTrainS装着

導入の方法

複数の商品を用意し、それぞれの特徴を説明し、実際に装着してもらって判断してもらいました。2014年度から
バウワーファインド社のマレオTrainSという商品を選択肢として加えたところ、圧倒的な支持を集めていました。

バウアファインド社 アンクルブレイス マレオTrainS

試合にて装着1

選手への意識づけ

どうしてもテーピングが良いという選手もいますが、足関節や膝関節は自分で巻くことも可能なため、学生トレーナーが選手に指導して自分で巻けるようにしてもらいました。選手が自分の身体に意識を向ける良いきっかけになったと思います。また、これまでは人的な環境が整っていた分、何でもやって貰って当然というような雰囲気がありましたが、選手の意識を変えたいという意図もありました。

マレオTrainS装着

導入のメリット

1.練習効率の改善
私がチームに関わるようになってから、授業の出席がより重視され、単位取得数が基準に満たないと試合に出場させないという部内ルールが設けられました。 4限目、5限目の授業がある選手は授業が終わると一斉にグランドへ来ます。練習が始まっていると、テーピングに割けるスタッフも1人くらいであったため、最後の選手が巻き終わるまでに時間がかかっていました。アンクルブレイスを導入することで、練習開始までの時間を短縮することができました。

2.コスト削減
テーピングは部でまとめ買いしているため、個人で購入するより安く仕入れることができるとしても、アンクルブレイスのコストパフォーマンスには及びません。練習や筋力トレーニング、ミーティングと多忙であり、アルバイトができない選手たちの負担を軽減することができました。

3.ゴミの削減
多くの選手がテーピングを使用していた時期は毎日120リットルのゴミ袋が一杯になるほどゴミが出ていましたが、テーピング使用料が減ったことで、ゴミを減らすことができました。

今後の課題

新商品を採用するにあたっては、フィッティングや耐久性の面で継続して使ってみないとわからない事があります。使用する環境や頻度によって消耗は違うと思いますが、現場の声を企業へフィードバックすることも私の役割だと思っております。採用しているブレイス類はオーダーメイド商品ではないため、全ての選手に合うとは限りません。痛いからといってストラップを緩める選手がいるのですが、これではブレイスの効果を最大限に発揮でません。正しく使えるように継続して教育することが大切と感じています。

試合画像2

試合画像3

試合画像4

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