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ぶちすごいぞ義肢装具!ばり楽しいぞ義肢装具SIG!
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日本リハビリテーション工学協会義肢装具SIG 第10回講習会報告
パシフィックサプライ株式会社 事業開発本部 松本 浩司
2014-09-15
義肢装具SIGは、日本リハビリテーション工学協会の分科会として2005年3月に発足。
第29回リハ工学カンファレンスにジョイントして第10回講習会を8月23日(土)広島国際大学呉キャンパスで開催いたしました。義肢装具士に限らず、エンドユーザー、医師、PT、OT、エンジニア分野を問わず義肢装具や障害者スポーツに関心ある方々が集い熱い1日になりました。
はじめに
九州、佐賀からスタートした義肢装具SIGは、今大会10年目を迎えて、8月23日広島で開催されました。
広島国際大学には、2年前に開設された、義肢装具士を養成するリハビリテーション支援学科義肢装具専攻コースがあります。
今回、義肢装具専攻コースで教鞭を執られている先生方の熱い想いの下、広島の地域に、もっと「義肢装具」を知って頂きたい! 将来を担う、学生たちに「義肢装具」の魅力を見て頂きたい!というコンセプトでテーマを『ぶち すごいぞ義肢装具! ばり楽しいぞ!義肢装具SIG』とし、中国地区の会員が中心となりイベントは企画運営されました。
内容は、座学の講義が2講座。メインイベント『ランチャレ!』。実技講習会2講座。フリーディスカッションを最後に、内容の濃いプログラムとなりました。 さらに、翌日は恒例のオプショナルツアー! 義足ユーザーさまと義肢SIG会員との呉バリアフリー探検で締めくくりました。
* テーマの「ぶち」は広島弁で「とても」「すごく」といった意味で、様々な言葉の前
につけられます。
【講義1】 世界遺産石銀山でのものづくり
「世界遺産石銀山でのものづくり」 中村ブレイス(株) 大森浩己氏
中村ブレイス株式会社は、1974年 中村俊郎氏(現社長)が島根県大田市に創業した義肢製作所。世界遺産石見銀山のある大森地区で、義肢装具の開発に力を入れられ、中村ブレイス製品は国内はもとより海外まで発信されています。
その中村ブレイスの義肢技術を支えてこられたのが、義肢装具士・大森浩己さんです。今回大森浩己さんにより、義肢の技術にとって一番大切なのは痛みのあるソケットは絶対に作らない。「できません」ということを言わない。そして切断者の方に対して常に謙虚であり、「願いを叶える」ことを目標として取組むことの大切さを語って頂きました。
中村ブレイス㈱ 義肢装具士 大森浩己氏による講義
【講義2】 切断と工学
「 切断と工学 」 広島大学病院 リハビリテーション科 木村浩彰氏
医師・木村浩彰氏は、永年、広島で整形外科医、リハ医として大学を拠点に、活躍され、切断から義肢装具の適合、さらにQOL向上へと広域なる貢献をされてきました。
今回、木村氏を招いて、『切断と工学』というテーマで講義を頂きました。切断における医療の課題やクリニカルパスの必要性から最新のハイテク義足パーツの紹介まで多岐にわたる内容でした。 義肢装具士は、現状の技能だけにこだわらず、最新技術獲得の大切さをお話し頂きました。
広島大学病院 リハビリテーション科 木村浩彰氏による講義
【メインイベント】ランニングチャレンジ義足で走ってみよう
ランニングチャレンジ義足で走ってみよう 熊本保健科学大学 教授 長倉 裕二氏
この企画は、今回のコンセプト 義肢装具を知ってもらおう! テーマ「ぶちすごいぞ義肢装具! ばり 楽しいぞ義肢装具SIG」を一番感じられるイベントです。
教授長倉氏は切断者に対して、正しい歩行や走ることへの可能性を導き出す「ランニングチャレンジ!」の講師として全国からセミナー依頼が舞い込んでいます。
今回は、イベント「ランニングチャレンジ!」を義肢装具SIG第10回講習会のプログラムの中で開催しました。そしてゲストには、バリバラ(NHK)の司会者でもある大西瞳さん(大腿女子・100m、200m、幅跳び日本記録保持者)をお招きし、切断者アスリートの身体能力の素晴らしさをイベント内にてご披露いただきました。
そして 晩夏の夕暮れ時、レンガづくりの校舎の中庭をレッツラン!!
本当に美しい切断アスリートの姿でした。
さらにサプライズは模擬義足を装着したアスリートとのレースです。模擬義足装着者は日下病院(三重県)の堀田貴弘さん(理学療法士)。堀田さんは切断者スポーツチーム大和鉄脚走行会の事務局としても活動しています。堀田さんはメンタル面も含めた切断者の歩行を体得するために模擬義足での指導訓練を取り入れています。
大和鉄脚走行会 ja-jp.facebook.com/DaHeZhiJiaoZouXingHui
ランチャレ動画1
ランチャレ動画2
義肢装具を体験しよう
会場内には【義肢装具を体験しよう】と題して、模擬義足や模擬義手を来場者が装着し、切断者の歩行やADLの体験が出来るブースを開催。またスプリント製作ブース内では、簡単なスプリント製作を体験していただきました。
模擬義足体験
恒例のオプショナルツアー
今年は、開催地である呉市の歴史に触れようと、入船山記念館から大和ミュージムを総勢40名以上でのツアー。このオプショナルツアーは中国新聞(2014・8・25朝刊)にも掲載いただきました。
http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=82609&comment_sub_id=0&category_id=110&pl=485060568
来年の日本リハビリテーション工学協会カンファレンスは沖縄での開催です。
義肢装具SIGは11年目突入。ますます熱くなります!
オプショナルツアー1 大和ミュージアム
オプショナルツアー2
オプショナルツアー3
関連情報
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