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脳血管障害へのカンファレンス2014に参加して
装具
脳血管障害へのカンファレンス2014に参加して
有限会社平賀義肢製作所代表取締役 見木 太郎
2014-11-01
前回の「脳血管障害へのカンファレンス2014」の記事に引継ぎ今回は、カンファレンスにご参加をいただいた有限会社平賀義肢製作所(岩手県花巻市)代表見木太郎さまに執筆をお願いいたしました。
下肢装具カンファレンス開催の意義を深め、また地域連携への拡がりを期待し、パシフィックサプライはこれからも研鑽を続けてまいります。
はじめに
平成26年9月6日に仙台でおこなわれました「脳血管障害への下肢装具カンファレンス2014」に参加させていただきました。基調講演では西宮協立リハビリテーション病院の勝谷将史先生のご講演で「装具難民」についてお話をいただきました。
私も以前、「装具難民」という言葉を聞いたことがあり、正確にはどのような意味があり、どういった課題があるかとても興味がありました。勝谷先生のご講演の中で装具難民についての定義がございましたので、この場をお借りして読者の方にもご紹介させていただきます(すでにご存じの方は申し訳ございません)。
平賀義肢製作所代表取締役 見木 太郎氏
装具難民とは
装具難民とは、以下の状態を云うのだそうです。
①何らかの機能障害により本来装具が必要な状態だが、装具の処方がない状態
②処方された装具が耐用年数を過ぎて放置されている状態
③装具が処方されているが機能変化によって装具が不適合な状態
④処方された装具に異常があるとき何処に相談してよいか分からない状態
⑤装具納品後に定期的にフォローアップがおこなわれていない状態
「装具ノート」
同じく、基調講演では愛仁会リハビリテーション病院の大垣昌之先生の講演の中で、ご紹介いただきました「装具ノート」は、B5版のクリアファイルに装具に関する必要書類が入っており、ちょうど装具版「お薬手帳」という感じのものです。中には、装具の製作履歴(製作年月日・利用制度・製作内容・耐用年数・担当業者)や装具の仕様詳細(装具製作病院や主治医、担当の理学療法士名、装具の継手の種類、装具の写真)が記され、装具にかかわるスタッフが時間や場所を超えて情報を共有できる現場志向のとても工夫されたツールでした。
情報共有の課題
カンファレンス中盤では、脳卒中急性期における短下肢装具や長下肢装具の積極的な活用法についての報告などがあり、転院先との情報共有の課題など現場に即した興味深い内容が多くありました。
誌面の都合により、すべての講演の内容をご紹介できず非常に残念ですが、地域リハビリテーションを考えるきっかけとしてご興味を持った方は、ぜひ次回の「脳血管障害への下肢装具カンファレンス」への参加をお勧めします。私どもも地元岩手県で下肢装具をお使いの方のフォローアップを今後もさらに充実させていきたいと思います。
下肢装具カンファレンス2014(仙台)
第4回脳血管障害への下肢装具カンファレンス2015 演題発表募集のお知らせ
4回目の開催となる「脳血管障害への下肢装具カンファレンス」2015年は大阪会場と東京会場で開催いたします。装具療法の広がりに伴い、様々なリハビリテーション手法が提案・実践されるようになってきましたが、同時に問題点も挙げられるようになって来ました。
皆様がリハビリテーション現場で得た成功事例、新しい提案等々様々なご発表をお待ちしております。
【大阪会場】
開催日:2015年2月21日(土)
会場: グランフロント大阪ナレッジキャピタル内 「ナレッジシアター」
JR大阪駅直結
募集演題数:16演題
【東京会場】
開催日:2015年3月28日(土)
会場: 現在調整中です。後日パシフィックサプライHP上でお知らせいたします。
募集演題数:16演題
申し込み手順詳細・演題発表お申込は、当社ホームページからお願い致します。
http://www.p-supply.co.jp/seminars/
下肢装具カンファレンス2015
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