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パシフィックニュース

24時間姿勢管理の提案~生活改善を目的として~

車椅子/姿勢保持

24時間姿勢管理の提案~生活改善を目的として~

24時間姿勢管理の提案~生活改善を目的として~

パシフィックサプライ(株)事業開発本部 杉本昌子(シーティングエンジニア)

2014-11-15

先般、国際福祉機器展(H.C.R.)2014にてパシフィックサプライ?は『24時間姿勢管理の提案~生活改善を目的として~』というタイトルで、出展社プレゼンテーションを行いました。
当日は、生き活きサポートセンターうぇるぱ高知・代表下元佳子氏(理学療法士)、LASAL社ティナ氏(ラッサル社CEO/看護師)をお招きし、弊社事業開発本部杉本昌子(シーティングエンジニア)とのコラボによるプレゼンテーションが開催されました。
今回は、弊社杉本によるHCR会場でのプレゼン内容をここに再現します。
“お客さまにとってのHappy”とは何でしょう。シーティングエンジニアとしての視点が問いかけます。

はじめに

川村義肢株式会社に入社して10数年、地域のお客さまに対して義肢装具や福祉機器のご相談やご提案を行ってきました。その後、グループ会社のパシフィックサプライ株式会社に移籍して5年。現在は『シーティングエンジニア』(車椅子や姿勢保持装置などのシーティングを適切に供給できる、高い適合技術をもった技術者(一般社団法人日本車椅子シーティング協会 http://www.j-aws.jp/)として、全国のお客さまに車椅子・姿勢保持製品を最適に利用していただく環境作りやサービスの提供を行っております。

シーティングとは?

シーティングという言葉はよく耳にするようになりましたが、本来の意味は『車椅子や椅子・座位保持装置に座らせること、うまく座らせること』です。決してうまく座らせることが目的ではないということは皆さんご周知の通りです。

シーティングエンジニアとして現場で行うこととして、多くは現在の座位姿勢の改善です。初めに行うことは今の座位姿勢で何が困っていて、何をするために座るのか?を確認します。目的としての多くは日常生活の中で、食事をしたり、テレビを見たり、本を読んだり。コミュニケーションを取るために座ることだってあるでしょう。それらが本来の目的です。先にも述べましたが、どのように座らせるということももちろん大切なことですが、あくまでもシーティングは手段であって目的ではありません。こんなにキレイに座れました、ということに満足していてはいけないのです。

 

湧き上がる疑問

実際に現場で行っていることと言えば、現在の姿勢からどこを改善していけば良いのか?を探っていきます。つまり今の姿勢からこれからの姿勢を作っていこうとしています。では、逆に今の姿勢はどこから来ているのか?今の姿勢は過去から来ている、今までの生活環境や姿勢が現在に影響しているのです。今の姿勢は過去からの歴史・結果とも言えると思います。

では、単純に座位場面だけを見て、過去・現在・未来の時系列で考えれば良いのでしょうか?数年前に作った車椅子や座位保持装置。現在の問題点を確認して、新しい車椅子や座位保持装置を作りかえる。もちろんその視点は大切です。
が、座る場面ばかりに着目していても全ての課題を解決出来るわけではありません。過去から作られた現在の姿勢だとしたら、『座る前には何をしていたのか?』そのような視点も必要ではないでしょうか?

広い視点で

姿勢には大きく分けて『臥位・座位・立位』があります。日常生活動作で考えてみると、それぞれ繋がっていることが分かります。朝、目が覚めてベッドから起き上がります。そこで座位を飛ばしていきなり立ち上がることが出来る人はほとんどいないと思います(中には常に同じ姿勢のままでいらっしゃる方もおありかと思いますが)。活動の中で考えてみると<臥位と座位>・<座位と立位>はお互いに繋がりあっていると言えます。
とすると、臥位でリラックスできない人が座位でリラックスできるのか?座位が安定していない人が立位で安定するのか?単純に座位場面だけ切り取って、頑張って座る・苦労して座らせる、その場だけのアプローチではいけないのではないでしょうか?

 

臥位ポジショニング:ラッサル社

繋がりを持って

色々な姿勢はお互い繋がり影響しあっています。とすれば接する私たちもお互い繋がり影響しあっているはずですし、そうしなければなりません。
今、接している場面が臥位だけだから、座位だけだから、立位だけだから、その場面だけ見ていれば良いという訳ではありません。今の課題が本当はどこから来ているのか?また今の課題が次にどんな結果を生み出すのか?前後の繋がりを持って捉えていく必要があると思います。

一人で一人のお客さまを24時間支援していこう、というわけではありません。そんなことは無理なのも分かっています。ただ、その人に関わる全ての方が同じ目的を持って同じ意識を持って関わることが出来たなら。接する中で感じたこと、気付いたこと、良いこと・悪いこと、お互い共有出来たなら、例え接する時間が少なくても、点であっても、繋げていけば一本の線になるのではないでしょうか?24時間姿勢管理と言えば難しいかもしれませんが、今よりほんの少しでも前後の姿勢・動き・活動を考えることが出来たなら、お客さまの生活改善に繋がると思いませんか。お客さまの生活の中で、自分に何が出来るのか・役割は何か?を見直すキッカケになってくれれば嬉しく思います。

 

ラッサルPPT

謝辞:ベストパートナーへ

先日開催されました、国際福祉機器展(H.C.R.2014)出展社プレゼンテーションにおきまして、同内容で発表をさせていただきました。その中で、ご協力いただいた、生き活きサポートセンターうぇるぱ高知代表:下元佳子さま(理学療法士)
LASAL社CEO:ティナさま(デンマーク/看護師)とは、職種や国は違えど考えていること、課題に感じていることは同じだということも分かりました。

それぞれの地域や社会の中で抱えている問題は様々だと思いますが、同じ思いで向き合っていきたいと思います。ご来場いただいた皆さま、講師の下元さん・ティナさん、この場をお借りして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

LASAL社CEO:ティナ氏

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