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パシフィックニュース

社会医療法人財団慈泉会 相澤病院

病院・施設紹介

社会医療法人財団慈泉会 相澤病院

創業1908年夢と感動と輝きに満ちた病院を目指す

2010-01-01

『救命救急病院として患者さまを断らない』ことを合言葉に…

銀嶺の北アルプスの山々を遠方に眺め、城下町としての風情を色濃く残す長野県松本市に「社会医療法人財団慈泉会 相澤病院(相澤孝夫院長)」があります。相澤病院は2001年8月に地域医療支援病院として認可され、地域の中核病院として医療を支えています。一方で急性期医療にも力を注いでおり、「救命救急病院として患者を断らない」ことを合言葉に年間5500台以上もの救急車を受け入れ、ヘリポートも完備しています。

また、リハビリテーションシステムには全国的な注目が集まっています。特長は「早期離床、早期リハビリテーション」を実践している点です。脳卒中で運ばれた患者のうち、74%が歩行を獲得して退院できているという実績を持っています。リハビリテーションシステムの構築に尽力した総合リハビリテーションセンター長の原寛ひろよし美医師の話などをもとに、相澤病院の地域医療の核としての存在感や役割、リハビリテーションシステムの全容を紹介します。

相澤病院 正面

救急医療 へり

病院理念

  1. 私たちは、患者さまのためのまごころの医療サービスを行います。
  2. 私たちは、地域のみなさまから信頼される病院づくりに努めます。
  3. 私たちは、常に新しく良質な医療の提供ができるように心がけます。
  4. 私たちは、皆様の健康増進、疾病予防のお役に立ちたいと願っております。

病院概要

病床数 471床
慈泉会職員数 1439人(平成20年6月1日現在)
常勤医師135 歯科医師3 看護師524 助産師27
准看護師41 薬剤師26 理学療法士73 作業療法士37
言語聴覚士18 診療放射線技師32 臨床検査技師54
臨床工学技士27 視能訓練士1 保健師11 社会福祉士5
介護福祉士27 管理栄養士9 歯科衛生士4 医療心理士4

地域医療を支える

体制で救急医療が行われていることで、相澤病院は紹介率約49%、逆紹介率約81%(ともに2008年度月平均)を誇っています。2004年5月には「医療連携センター」を開設。スタッフ19人体制で地域の医療機関から紹介された患者が、安心して受診できるように、地域や相澤病院の医師、患者の気持ちなどを繋げる橋渡し役を担っています。
登録医制度を構築し、現在493人(428施設)の医師が登録。

地域全体で大きな一つの病院を構成しているような感覚です。紹介された患者のスムーズな検診のため、電子カルテをいち早く導入し、130施設で閲覧が可能になっており、7施設に関しては双方向でカルテのやり取りが可能になっています。電子カルテでは心電図や超音波、病理などの画像のほか、病院情報やカルテ情報を瞬時に見ることができます。相澤病院では地域医療支援に対し、
▽入院依頼のあった患者はすべて受ける
▽直通のPHSで地域の医師と昼夜を問わず直接話ができる環境づくり
▽カルテをなるべく詳細に分かりやすく作成し、記載しにくいことは直接電話で連絡する
――などを徹底しています。

救急医療は医の原点

「24時間365日体制で患者さんへの医療サービスをすばやく提供することを最大の目的にしたい」と相澤院長は就任時に訴えました。その思いが実を結び、2005年4月に長野県中信地区新型救命救急センターとしての指定を受けました。決して搬送患者を断らない医療体制を維持するため、院内には深夜でも8~9人の医師が常駐し、整形外科や小児科など9つの診療科で自宅待機救急当番医を配置しています。

1日平均15台の救急車を受け入れ、救急ヘリの搬送は年間約130件にのぼります。救急は医療の原点で、地域の医師や他の医療機関、広域消防などとの信頼の上に成り立っており、地域医療支援病院としての活動が救命救急を支えています。

画期的なリハビリテーションシステム

原医師は「救命した翌日からリハビリできる体制を作ってきました。安静にして、症状が落ち着いてからリハビリを始めるという考え方は、世界的スタンダードから逸脱しています」と強調しています。当初は脳疾患患者が主な対象でしたが、今ではすべての科で早期リハビリテーションを導入し、約130人のスタッフがリハビリテーションを施し、患者数に対するスタッフの数は全国でも有数です。

その理由を原医師は「長期間安静にしていると麻痺した筋肉や関節が固まったり、麻痺が悪化したりします。また大脳の運動機能をつかさどる部分も委縮してしまい回復の可能性も低くなる」と述べています。そこで相澤病院では「脳梗塞なら24時間以内、脳出血では3日以内にベッドでリハビリテーションを始める」ことを基本としています。

装具の役割

「装具は筋力低下を補うもので、歩行では杖や車いすと全く同じもの。しかし、ほとんどの病院に車いすはあっても装具があるところは少ない。早く立って歩いてもらうために装具は必要不可欠です」と原医師。装具はふくらはぎと足の甲、足底の3点固定で歩行麻痺を無理なく矯正してくれるものです。

「ゲイトソリューション(GS)」は、「足首を固定せず、負荷を段階的に変えられる点が画期的」と原医師は太鼓判を押しています。原医師は「歩行では3つのロッカー機能が働いています。ロッカー機能とはロッキングチェアーの脚のような役割を果たすもので、かかと、足首、親指の付け根の3カ所で機能し、歩行をスムーズにしています。これまでの装具ではこの機能を働かなくさせていましたが、GSは機能を殺さずに歩行訓練が出来るため、早期に歩行を獲得するのに大きな役割を果たしています」と説明しています。

装具を付けた患者は、
▽壁に取り付けられた棒を使って立ったり座ったりする
▽スロープや階段を歩く
などの訓練を毎日約3時間繰り返します。

原医師は「装具は患者さんのその時の身体の調子や生活スタイルに一番合ったものに変えていくべきものです。初期に処方された装具をずっと使っていては歩行を獲得しづらい状況も起こり得ます」とも話しています。

ゲイトソリューションデザイン

在宅リハビリテーション支援

相澤病院において脳疾患での平均入院日数は25日間で、歩行が獲得できた時点で退院するのが基本です。「ヨーロッパでは最低1年間はリハビリを続けることが必要としていますが、日本では180日間と大きな隔たりがあります。当院では1年間のリハビリを推奨しています」と原医師は言い、在宅でのリハビリテーションをサポートするために40人のスタッフが週3日患者宅を訪問し、リハビリテーションの進行状況などを確認しています。同時に、家族の不安や悩みなどの相談にものり、カウンセリングという面でも大きな役割となっています。

原医師は最後に「専門医が少ないことで、日本のリハビリテーションに対する常識は遅れていると言わざるを得ません。今後は医学生を増やし、教育の場を設けていくことが必要です。また、病院ではトップダウンではなく、現場から進歩したリハビリテーションが必要であるという声を上げていかなくてはなりません」と日本のリハビリテーション事情に対しての展望を語ってくれました

病院所在地

〒390-8510
長野県松本市本庄2-5-1
TEL:0263-33-8600(代)
FAX:0263-32-6763
HP:http://www.ai-hosp.or.jp

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