パシフィックニュース
新しいシーティングシステム トーマスヒルフェン社
車椅子/姿勢保持
2010-04-01
マイクロシテュミレーションに基づく、トーマスヒルフェン社製座位保持装置
子どもたちにとって、体を動かすことは非常に重要なことです。体が動かせるということは、人生を豊かにするための基本的なことです。低月齢の子どもにとって、体を動かすことは、他人とコミュニケーションをとるための唯一の手段となります。手や足を動かすことで、子どもたちは自分自身や周囲の状況を認識し、体の動きで意思表示をすることで、自信や自尊心を発達させます。その発達過程で子どもたちは段階的に世界を学んでいきます。動く能力の発達と、精神の発達には密接なつながりがあります。子どもたちは新しい動きを習得することによって、広い視野を持つようになります。
トーマスヒルフェン社は、障がいを持つ子どもたちのシーティングの現状に、疑問を持ちました。そこで、IGAP研究所の科学者と共に、私たちはシーティングシステムのより良い解決策を模索することにしたのです。
体を固定してしまうシーティングは子どもに悪影響!?
セラピストと両親の協力による研究で、今日普及している、体をパッド等で固定してしまうシーティングシステムは、こどもの発達を阻害している可能性があることが分かってきました。子どもが身動きとれなくなればなるほど、はっきりと発達のスピードが遅くなる傾向がみられたのです。極めてシンプルであり最近ヨーロッパで浸透してきたこの認識は、現状のシーティングシステムや体幹装具などの適用法に大きな波紋を与えました。体の可動範囲はシーティングシステムや装具により大きく制限されます。動きを制限されることで、体を動かすことで得られる発達がほとんど見られなくなるのです。
体を固定して良好な姿勢をとらせるという方法は、整形外科の観点から見ると、十分に理解できます。しかし、自ら動くことが出来ない受身的な状態は、できるだけ短時間であるべきです。ハンディキャップのある子どもたちが一日の大半を、シーティングシステムの上で体を固定された状態で過ごし、訓練時間の短い間だけ、そこから開放されて自由になるという状況は、不自然なことのようにも思えます。
トーマス
マイクロシテュミレーションシステム
シーティングシステムが子どもたちの動きをサポートするというコンセプトは、治療における新たな可能性のある考え方です。その考えに基づき、トーマスヒルフェン社はツイストシステムを開発しそれを使った試験を行いました。ベッドのシステムとして実証されたMicro-Stimulation(マイクロシテュミレーション)システムを基に設計されたシートは、バックレストの特徴的な機構により、子どもたちの動きを促します。やさしく揺れるウィングサスペンション機構はバックサポートに柔軟性を与え、適度な反発力を持ち、子どもたちが行う小さな動きにも追随します。背中から微細な刺激が入力されることで体の知覚機能が改善され、運動を促します。
ツイストで動こう!学ぼう!
ツイストシステムでのシーティングを様々なこどもに試してみたところ、マイクロシテュミレーションシステムが有効である可能性が出てきました。比較的硬いシーティングシェルで動くことができないまま座っていた子どもたちが、この知覚・運動をサポートするツイストシステムバックサポートを使用することで積極的に動くことが出来るようになるケースが多く見られました。
このシートを使うと、子どもたちは非常に姿勢良く、支えを必要とせずに座っています。さらに、遊ぶこと・食べることに興味を持ち始めました。運動することを促された子どもたちは、周りの環境に元気いっぱい興味を持って参加しています。学校の授業でも同様です。体の動きを引き出すツイストシステムバックサポートは学ぶ能力・集中する能力も向上させる傾向がみられたのです。
新しいツイストシートユニットに座っている子どもが、より活発に、より柔軟に、より積極的になりました。
ツイストシートユニットは、バックサポートに複数の可動式ウィングサスペンションが備わっており、ウィングサスペンションにより、子どもの体に動きを与えるマイクロシテュミレーションシステムが機能します。
ツイストシートユニット
ウィングサスペンション
シート寸法
関連情報
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