パシフィックニュース
地域包括ケアを考える講演会・シンポジウムを開催して
環境整備
あきらめない力 地域も あなたも そして、わたしも
パシフィックサプライ? 事業開発本部 岡田裕生
2015-07-01
はじめに
2015年6月13日(土)、大阪府大東市にある大東市総合文化センター サーティーホールを会場として、地域包括ケアを考える講演会・シンポジウムが開催されました。
2025年には4人に1人が75歳以上という超高齢社会となる日本、そのときに安心して地域で暮らせる環境を整えるためには、住まい・医療・介護・生活支援が一体的に整備される必要があります。それには専門職の連携だけでなく、地域住民の方々と一緒になって地域づくりをしていくことが重要なポイントとなってきます。
【図1】出典:厚生労働省ホームページ
(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link1-4.pdf)
図1 地域包括ケアシステム
大東市から情報発信を
KAWAMURAグループ(川村義肢株式会社、パシフィックサプライ株式会社)は地域リハビリテーションに早期から取り組んできた自治体の一つである大阪府大東市に本社を構えています。
大東市は介護保険制度が始まる前から地域でのリハビリテーションに力を注いでおり、1979年(昭和54年)には地域での機能訓練事業を開始しています。弊社先代社長である川村一郎が大東市への本社社屋建設を決めたのは「地域のリハビリテーションに関する様々な活動を行っている自治体と共に発展していきたい」と願いからでした。
そんな先代社長の思いを引き継ぎ、「大東市から情報発信をして行こう」とイベントを計画し、6月13日に地域包括ケアを考える講演会・シンポジウムを開催しました。参加人数は約700名、そのうち半数は大東市に住んでおられる一般市民の皆様でした。
今回の講演会・シンポジウムは「医療・福祉の専門職の方だけではなく、広く市民の皆様にも自分の事として話を聞いてもらいたい。」との思いがありましたので、病院や介護施設へのPRだけでなく、大東市内への新聞折込、大東市教育委員会にご協力いただき、大東市内全ての小中学校の児童・生徒さんへのチラシ配布。地域の様々な店舗へのチラシ設置などを行い、市民の方へのPRへ注力しました。
その結果、参加者の約半数が医療・福祉の専門職ではない市民の方となり、我々の思いに賛同してくださった事をうれしく思えました。
会場:大東市サーティホール
特別講演・基調講演 地域で安心して暮らせる都市とは
特別講演では世田谷記念病院・酒向正春先生から、脳血管障害そのもののお話と、世田谷記念病院周辺地域で行われている、地域で安心して暮らせる都市計画のお話を頂きました。
脳血管障害に対するリハビリテーションの話が参加者の興味を引く内容であったことはもちろんですが、参加者の皆様から頂戴した声からは、机上の都市計画段階から医療・介護・予防の視点で安心して暮らせる計画を行い都市が作られていることへの驚きが伝わってきました。
基調講演では厚生労働省・鶴田真也先生から地域包括ケアの今後の施策のお話を頂きました。その中では『大東げんきでまっせ体操』にもふれていただけました。
元気でまっせ体操HP
http://www.city.daito.lg.jp/kakukakaranoosirase/hokeniryo/kourei/kaigoyoboujigyou/1300933130678.html
この『元気でまっせ体操』は大東市行政主導ではなく、地域グループ主導で週一回のペースで開催されている介護予防体操です。現在大東市内には地域グループが80団体あり、活発に活動しています。講演中に鶴田先生から、『げんきでまっせ体操』へ参加している方の挙手を求められた際、多くの挙手があり、鶴田先生が驚かれるという場面もありました。
厚生労働省の施策はきめ細かく作られており、講演時間だけで内容を理解する事は困難ですが、現在の医療・介護の実態がどうなっているのか?何のために地域包括ケアシステムを構築するのか?といった大枠は会場の皆様に伝わったと感じています。
世田谷記念病院・酒向正春先生
厚生労働省・鶴田真也先生
シンポジウム&会場アンケート
シンポジウムでは大東市内の医療(四條畷保健所)・介護(介護老健施設/社会医療法人会施設)・企業(postgresグループ)がシンポジストとして登壇し、大東市の地域活動の現状、今後の展望が議論されました。
その中では、大東市が昔から地域リハビリテーションという視点で様々な施策を行い、かなり早い時期から各種支援体制が整っていた事が取り上げられました。ただそれでも、このままの状態では2025年にはかなり厳しい状況になるためそのための準備を怠ってはいけない、地域に暮らす市民の総力を発揮しなくてはならない、みなさんで一緒に作り上げましょう、という形のシンポジウムとなりました。
参加者の声からは、シンポジウムに対する評価が多く寄せられました、多くの市民の方の関心を引いた内容だったことが伺えます。
会場アンケートより------------
30 代 女性 (ケアマネジャー)
大東市で行われているげんきでまっせ体操を施設でも取り入れ老健へ入所されても継続して取り組む事ができる活動を行っていきたいと感じました。本日の講演内容をより深めていく事が出来るよう、地域包括ケアシステムへの活動参加を、積極的に行っていきたいと思います。
50 代 女性 ( ケアマネジャー)
酒向先生のリハビリ医療をキーワードにした都市計画事業への展開という視点を興味深く聴講しました。要支援・介護の高齢者に関わらずその地域に住む住民全ての健康を支える・作るということを単にボランタリティーに頼らず、きちんと事業化していくことで継続・成長を担保できると思いました。シンポジウムでは急に「介護」の話になったことで専門職以外は少し分かりにくかった様に思います。
40 代 女性 その他(会社員)
介護は地域家族だけが考えるのではなく社会全体のつながりがいる。特に現役世代が主に活躍する場の会社(企業)側へ労働者を家族との生活時間が確保できるように働き方も含めた施策求められていませんか。
70 代 女性
ヘルシーロードとリハビリ 攻める医療システムに挑んでおられる酒向先生の熱意に感動しました。大東市でもこの様なシステムに伺える街づくりが早く実現したらうれしいと思います。
70 代 女性
自分なりのケアを求めても良いという事を知りました。
20 代 男性 (医療職)
地域包括ケアシステムにリハ職種の参加の重要性期待を更に感じました。
シンポジウム1
シンポジウム2
私たちの役割
イベント終了後まで、客席には多くの市民の方に聴講いただき、運営する側としても非常に充実感のあるイベントとなりました。
今年が第一回の開催となった『地域包括ケアシステムを考える講演会・シンポジウム』
これから様々な体制が整えられていくはずです。自立支援機器の供給を行うKAWAMURAグループも多くのことに提言をさせていただき、包括ケアシステム作りに積極的に関っていきたいと考えています。
今後も大阪府大東市から様々な情報発信を続けていきます。
シンポジウム3
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