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オズール社 新規認可完成用部品ユーザー様の声 特集②
義肢
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オズール社 平成29年度 完成用部品 新規認可品とお客さまの声
パシフィックサプライ株式会社 事業開発本部
2017-05-01
平成29年度完成用部品にオズール社製品が新規認可されました。前号と今号では、新たな認可製品とフィールドテストにて製品をお使いいただいたお客様の声をご紹介いたします。新たな選択肢が増えたことで、お客さまの生活が拡がり、より豊かになることを願っております。
新たな認可製品について
オズール社はアイスランドの義肢パーツメーカーです。オズール社義肢部品日本総代理店である弊社は、毎年、新たな義肢パーツを厚生労働省(完成用部品)認可の取得を目指し申請手続きを行っております。申請書を提出する過程には、我が社のパートナー企業の義肢製作所さまと義足ユーザーさまに※フィールドテストを依頼し、多大なご協力をいただいております。今回は、フィールドテストを受諾いただいた義肢製作所さまとユーザーさまの声をご紹介することで、新たな認可製品がお客様にとってより身近に安心してご利用いただけることを願っております。
平成29年度 完成用部品 新規認可製品リスト
http://www.p-supply.co.jp/app/webroot/sp/ossur/catalog/shinsei-list.html
※完成用部品指定申請の概要
新規指定申請では申請部品の下記の3点について審査を行い、審査結果に基づき平成29年度の完成用部品の指定(所収の可否・内容等)を定めます。
1フィールドテスト結果※ ?
2工学的試験評価結果 ?
3価格根拠
(厚生労働省HPより抜粋)
i-limb quantumハンド
i-limb quantumハンド
i-limb quantum はi-moテクノロジーを搭載した筋電電動義手のハンドです。
各指の開閉スピードと把持力は、筋電シグナルの強さに比例します。5本の指それぞれにモータが内蔵され、また、母指CM関節の内外転を 行うモータの合計6個のモータを搭載しています。それにより、最大36種類と多彩なグリップパターンが可能となり、さまざまな 場面に合わせたグリップを使用することができます。
ハンドには加速度センサ、プロセッサ、Bluetooth等が搭載されています。
それによって、i-limb quantumはジェスチャー、アプリ、筋、近接コントロールの 4つのコントロール方法があります。
親指の位置は対立位から外側までグリップパターンに合わせて動かすことが可能です。
また、指ごとに取外すことができるため、指のみの修理、交換が可能となります。
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タッチバイオニクス ILQ-size
殻・義手・その他・電動ハンド
平成29年度 完成用部品価格 ¥2,292,000
http://www.p-supply.co.jp/app/webroot/sp/ossur/catalog/touch-bionics/i-limb.html
i-limb quantumハンド
i-limb quantumハンド(クイックチェンジリスト)
i-limb quantum用クイックチェンジリスト
クイックチェンジリストにより手先具とリストユニットとの接続を簡単に行うことができます。
リストユニットに固定された後も、回旋方向へは動かすことができ、ハンドの向きを簡単に変えることができます。
◆公益財団法人鉄道弘済会義肢装具サポートセンター義肢装具士・浦田一彦さまの評価
製作について:部品自体が他社製品の物と互換性があるので、組み立てや加工性については特に困難と感じることはありませんでした。マニュアルについても各部品に記載されていたため、同様に困難と感じることはありませんでした。加工の容易さは、部品のダミーがそれぞれ付属しておりスムーズに製作することができました。取扱い時の危険性については、それぞれの部品自体が大きくはないため製作する上で危険と感じることもありませんでした。
ユーザーさまは現在、他社の電動義手を使用しています。それと比較すると手のポージングの多様さが広がったことから、食事動作や家事動作などの日常生活上での両手動作の多様性が広がったように思えます。また、様々なポージング機能やその変換についても十分に使いこなしていました。使用上では部品自体に危険性はありませんが、付属するグローブの長さが短いことから、炊事動作時にゴム製の手袋をかぶせて行っていました。もう少しシーリングに対して対応できることが望まれます。完成時の安全性としては、把持機能の自動調整機構が内蔵されており物品を把持する際に過度の負荷が対象物に加わらないことから日常生活上での安全性や利便性に大きく寄与できるものであると評価できます。
ユーザーさまの声
現在使用しているものに比べて、ほうきなど棒状のものが握りやすく、また手が大きく開くので、コップやお椀などを持つこともでき便利でした。2本指のピンチで洗濯ものを洗濯バサミに干すこともでき、細かい動作ができるようにもなりました。コップなどを持つ際、現在使用中の電動義手では落とす不安が常にありましたが、i-limb quantum ハンドは、バリグリップで増し締めをしてくれるため、しっかりと持つことができ、安心して持てるようになりました。
◆有限会社タカハシ補装具サービス義肢装具士・高橋功次さまの評価
製作について:日本語翻訳された製作マニュアルが用意されているので、筋電義手製作に慣れている技術者であれば問題なく組み立てられます。デリケートな作業が求められるバッテリーやスイッチの取付け加工説明では、具体的な作業禁忌事項が示されていて間違いが起きないように配慮されていました。
安全性、耐久性について、メーカーが規定している使用条件下(指先に過度な負荷をかけないこと)では、通常使用において問題はないと思われます。ジェスチャコントロール動作では、義手の通常使用時の腕の動きに反応して、思った把持動作が出来ないことがありましたが、これまでの電動ハンドにない把持機能が、両手協同動作において高い評価を得られました。把持機能パターン選択と開閉スピードの調整はi-phoneで出来るので、余計な機器を必要とせず、便利な機能だと思います。
ユーザーさまの声
パソコンを使用する際のマウス把持やキーボード入力、またハサミを使用する等のデスクワークができるようになりました。旅行先の食事のときには義手でトレイを持つことができ、食事を運びやすく、衣類のチャックの開閉や靴下の脱ぎ履きもスムーズに行うことができ、旅行をより楽しめるようになりました。
◆川村義肢株式会社東京本社 義肢装具士・幸村久弥の評価
製作について:他社製品と同じソケットシステムのため、よどみなく製作することができました。コードや配線、電極の取り付けなども気になりませんでしたが、マニュアルは詳しい日本語版があると尚良いと思いました。ユーザーさまが現在使用中の電動義手と比べると、安全性や耐久性については同等のようですが、機能面では多機能であり、能動から電動義手への切り替えでしたが、トレーニングの成果もあって、ジェスチャコントロールまで操作可能となり、ユーザーさまのしたい動きを実現できました。動作音は気になりませんでしたが、もう少し軽くなるといいですね。
ユーザーさまの声
会社で物を持ち運びできるようになり、書類を持ったままドアを開けられるようになりました。ペットボトルもはじめは握りつぶしていましたが慣れるとちょうどいい強さで握れるようになり、今では義手でペットボトルを押さえて蓋を開けることもできます。また、はじめは重く感じていましたが、使用しているうちに気にならなくなり、ジェスチャコントロールまでもできるようになりました。
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タッチバイオニクス QWD
殻・義手・その他・リストユニット用部品
平成29年度 完成用部品価格 ¥620,900
http://www.p-supply.co.jp/app/webroot/sp/ossur/catalog/touch-bionics/qw.html
i-limb quantumハンド(クイックチェンジリスト)
i-limb quantumハンド(クイックチェンジリスト)
i-limb quantum ハンド(屈曲リスト)
i-limb quantum用屈曲リスト
なめらかで自然な手首の動きでより日常の動作を行いやすくなります。
ロック/ロック解除は、磁石ロックで手動にて操作します。
通常はフリーにしておくことで、軽度な衝撃やトルクは吸収することができます。
◆公益財団法人鉄道弘済会義肢装具サポートセンター 義肢装具士・高原安浩さまの評価
製作について:電池をソケットに封入する際のスペースが厳しいと感じますが、他社製と同じ仕組みなので不安なく容易に組立てることができ、特に電極ダミーの精度は高く、作りやすかったと思います。多種のモードを選択できて細やかな動きのニーズに答えられます。
JR東京総合病院リハビリテーション科 Dr. 田中洋平さまの評価
i-limbは、様々なグリップの設定が可能なことに加え、母指を健側で他動的に動かすことができるため様々な形の物をつかむことができる高機能な筋電義手です。また、“手”として自然な動きが可能であり、強く握り過ぎない機能(ストール機能)も持ちます。この機能は、例えば患者様が小さなお子さんと触れ合う時に安全に触れ合うことができる、安全性の面で従来の筋電義手にはなかった機能です。音がうるさいことや、扱い方によっては壊れやすいことには注意が必要です。i-limbを患者様にとって実用的な義手にするためには、導入時に作業療法を行うことが大切です。
ユーザーさまの声
現在使用しているものに比べ親指が動くため、お椀を押さえてご飯を食べる、スプーンで丼物を食べるなどができた。音が少し気になり重くも感じましたが操作性は良く装着感も良かったです。義手で紙をしっかり押さえて、字を書くことができ、アプリでの操作も問題なくできました。グリップのロックスイッチがあるとより使いやすいと思います。
◆川村義肢株式会社 製作技術者・徳岡剛の評価
製作について:筋電義手の製作経験があれば、問題なく製作できます。電極、バッテリーについてはダミーが用意されているため作業に不安は感じませんでした。しかし、スイッチブロックに関してはダミーがなく、マニュアルも不十分であった為、不安感が否めません。無理に取り付けると断線の可能性もあるため、マニュアルの充実が望まれます。
◆川村義肢株式会社義肢装具士・須藤佑介の評価
従来の他社製筋電義手と比較して、可動域が大きく動作のバリエーションが多いと思いました。安全性に関しては従来の筋電義手と同等でありますが、やや耐久性には難ありといった感じなので、販売を開始するに当たってはフォローアップ体制の確立は必要であると考えられます。
カメラは基本的にシャッターが右についているため右前腕切断の方がi-limbを使用することでカメラのシャッター操作も容易になり、ナイフを握って食べ物を切ることもできます。ユーザーさまの好みの設定を見つけることが出来れば使いやすい筋電義手であり、詳細な動作設定が可能であるため、様々な動作への対応が可能となります。
ユーザーさまの声
指を細かく動かすことができ、ナイフとフォークを使用できるのがすごく良かったです。他社製筋電義手は止めたいところよりも行き過ぎてしまいますが、i-limbは反応スピードが速いため、止めたいところで止めることができました。
また、i-limbから反応が良くない義手に替えると幻肢痛が強く出るのですが、逆に反応が良くない義手からi-limbへ変更すると幻肢痛がすっと消え、細かい仕事をしていても疲れが出にくいと感じました。
バッテリー残量が少なくなると、指が動かなくなる時があり意図しない動きをすることがありました。また、ジェスチャコントロールの感度が良いため、車や電車での移動中にグリップのモードが切り替わってしまうこともありました。ラテラルピンチを良く使い、周径の小さいものであれば、ラテラルピンチでつかむことができました。
ドアを開ける、ズボンをはく、ボタンを押す、車の運転などにも使うことができ、車の運転では、ハンドルに特別な補助具を取り付ける必要がないため、レンタカーを使用することができました。他にも自転車のハンドルを握れました(さまざまなハンドル角度の自転車に対応できる)
◆川村義肢株式会社義肢装具士・黒石義明の評価
製作について:現在認可されている他社製リストとの互換性があり、簡単に入れ替えて使用することができました。品質も良く、すべての部品の面が丸く、安全に使用できますね。4ヶ月にわたり試着し、評価しました。機能に於いては従来のものと比べ、手の機能を代償できる動作を非常にたくさん習得でき、義手による日常生活がスムーズにできるようになりました。装着した期間に於いては、義手における怪我などはなく、従来製品と同等の安全性であり、耐久性に於いても従来製品と同等で問題なく使用できました。
ユーザーさまの声
2本指でのピンチをよく使用しました。洗濯物を干すなどといった際に使いやすかったです。円筒状のものを持つ際、底部を包み込んでくれるため、落とす心配がなく安心して持つことができました。作動音については、はじめは気にはなっていましたが、使っているうちに気にならなくなっていました。
剣道をするのですが、他社製筋電義手だと構えの姿勢をとった際に竹刀が真上を向いてしまっていましたが、このリストでは思うような構えの姿勢ができました。
ラテラルピンチは力が必要な際に重宝しました。お皿を洗う際に、他社製筋電義手では滑り落として割ってしまうこともありましたが、i-limbではお皿を保持でき安心して皿洗いができました。ひもを結ぶときなど最後に締めこむ際に2本指のピンチでは力をこめることは難しかったのですが、ラテラルグリップを使用すれば可能になりました。適合していないソケットを使用していたときは重量を感じていましたが、ソケットをつくりかえ、適合したソケットを使用すれば重さを感じることもありませんでした。
車の運転の際には、他社製筋電義手だと点でつかむ分、滑ってしまい健手でハンドル操作を行っていましたが、i-limbだと4本の指でしっかりとハンドルを握ることができるため、義手側でハンドル操作を行うこともでき安定感もありました。2本指のピンチは細かい作業をすることもでき、車の配線に触る際には2本指のピンチで行っていました。配線の端子は銅やアルミなどやわらかい金属が使われているのですが、潰すことも弾き飛ばすこともなく持つことができ力の調節がしやすかったです。
料理をするとき、他社製筋電義手ではおたま、包丁などを使用する際ぐらつきがあり作業のしにくさを感じていましたが、i-limbではしっかりとホールドしてくれるため、切る、返すなどの作業がしやすくなりました。ジェスチャコントロールもその仕事(用途)にあった形を工夫して使えるのでとても重宝しています。
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タッチバイオニクス FW
殻・義手・その他・リストユニット用部品
平成29年度 完成用部品価格 ¥967,100
http://www.p-supply.co.jp/app/webroot/sp/ossur/catalog/touch-bionics/fw.html
i-limb quantum ( movie)
i-limb quantum ハンド(屈曲リスト)
i-limb quantum ( movie)
i-limb quantum ( movie)
DPフレクション
DPフレクション
DPフレクションは、快適性の高い多軸型の足部「フレックスフットバランス」に油圧足継手モジュールが搭載された足部です。フレックスフットバランスは確かな耐久性、安定性と共に快適性を備えており、使用者を理想的なバランスに導きます。油圧足継手モジュールがフレックスフットバランスに搭載されたことにより、立脚期中に9°の背屈と底屈が可能になり、坂道での安定性が向上する他、座位から立位への移行も安定します。また低活動の切断者にとって懸念される、つまずきや転倒のリスクが低減するよう、遊脚期の背屈機構が設計されています。加えて、底屈と背屈の硬さ調整機構はそれぞれ個別に調整することができ、これによってそれぞれの切断者の残存機能に適した調整をすることができます。 DPフレクションの対象者は低活動者のみに限定されますので選択の際は十分ご注意ください。
構造的高さに影響を与えないユニティバキュームシステムを適用しますと、膝スリーブを装着する必要がなく、陰圧を付加する懸垂機構を得ることもできます。
◆株式会社大坪義肢製作所 義肢装具士・石見哲也さまの評価
製作について:DPフレクションの関節にOリングで中間位に固定されていて、また調整もシンプルなので製作しやすいです。足部の進行方向とDPフレクションの進行方向が合わないのは組立てづらく、フォームカバーの工夫が必要と思います。
ユーザーさまご本人と確認しながら底屈・背屈方向を調整しながら歩行確認し、調整も底背屈は中間ぐらいの設定でした。歩行確認後、坂道と階段昇降時の安定性は現在使用中の足部よりも安定しており、 新規切断者に使用できる足部と思いました。足部に対してDPフレクションの進行方向が内旋位で設定されるのが気になりますが、歩行時の踵接地から立脚中期までDPフレクションの可動域のためスムーズに体重移動ができました。
ユーザーさまの声
可動性があり非常に歩きやすく、階段や坂道も安定して歩きやすいです。重量感も無く装着感も問題ありません。足部の幅が無いので不安定感も無く安定していました。現在使用している足部より自然な感じで歩行でき、底屈方向よりも背屈方向に体重移動する時が非常に歩きやすさを感じました。
◆株式会社東北補装具製作所 義肢装具士・斉藤孝志さまの評価
製作について:組みたて作業、ベンチアライメント調整時に、問題になる様なことはありませんでした。作業時の危険性は全くないです。立位時から使用効果が実感できている様で安定性が高いようです。踵接地からなめらかな体重移動ができていて下り坂、上り坂ともに有効で安定して荷重できていました。
ユーザーさまの声
立っている時に今までより安定している様に感じました。歩いている時は今までにない自然な感じがします。スムーズに歩ける様な感じです。少し重いかなと思いましたが、気になる程ではないです。
◆川村義肢株式会社 義肢装具士の評価
製作について:組立て時でのアライメント設定もスムーズにでき特に問題はありませんでした。現在使用している足部(クイックアライン付バリフレックス)から付け替えた後すぐにスムーズな歩行が行えました。エネルギー蓄積型から単軸足部に変えた時には違和感があり慣れるまで少し時間(数歩)がかかるものなのですが、それがなかったです。また、イニシャルコンタクト時とフットフラット~ヒールオフまでの2段階に分けて油圧調整ができる事でより滑らかな体重の移行ができました。今回のようなマニュアルロック膝継手を使用している低活動ユーザーにも十分使いこなせていました。
ユーザーさまの声
パーツを変えた時には違和感があり直ぐには通常の歩行までいけないものですが、DPフレクションではそれがありませんでした。また、油圧で調整できる事で滑らかな歩きができ、畑仕事もしていますが、違和感なく使用できました。
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オズール FBD0xyyz
骨格・義足・足部・C 多軸足部・多軸
平成29年度 完成用部品価格 ¥350,100
http://www.p-supply.co.jp/app/webroot/sp/ossur/catalog/flexfoot/dpflexion.html
DPフレクション
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