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パシフィックニュース

第55回日本リハビリテーション医学会学術集会 参加報告

義肢

装具

第55回日本リハビリテーション医学会学術集会 参加報告

パシフィックサプライ株式会社 事業開発本部
市川 俊介(義肢装具士)

2018-07-17

平成30年6月28日から7月1日に掛けて、福岡国際会議場で第55回日本リハビリテーション医学会学術集会(通称:リハ学会)が開催されました。

初日:ピンク色で優しく華やかに包まれる会場

 本大会は、佐賀大学の浅見豊子先生が「リハ学会史上初の女性大会長」として指揮を執られた大会でした。

 浅見大会長のイメージカラーでもあるピンク色で彩られた会場は、優しさと華やかさに包まれていました。
その会場を埋め尽くす大勢の人、人、人。

 それもそのはず、四日間にわたる会期もまた「リハ学会史上初」だったようで、総勢6,400名もの
参加者が全国から集まりました。

 四日間で編成された大会プログラムは、様々な関連学会との合同企画、最新の話題に関するシンポジウムやセミナー、
著名な先生方による教育講演、数多くの口演発表やポスター発表、様々な分野の協賛企業によるランチョンセミナーなど、
参加者には常に、驚きと興奮に満たされた時間が提供されていました。
 
 大会プログラム、参加者へ振舞われたドリンクや軽食、お弁当などの一つひとつまで、質と量の面で細かな配慮が
なされていた本会は「楽しい」と「美味しい」が繰り返される至福の時間になりました。

2日目:高齢の下肢切断者に対する義足の導入プログラム講演

 大会2日目のランチョンセミナーでは座長木村浩彰Dr.(広島大学)の下、
オズール社のニコラス・フレイジャ氏(義肢装具士・Ossur Japan, Asia Pacific)が高齢の下肢切断者に
対する義足の導入プログラムを講演されました。

 切断術後からリハビリテーションの開始、義足の作製にかけて、高齢者であるゆえに、注意を払うべき要点を
理論的に説明し、切断肢の管理に必要な知識と手法、訓練用仮義足における構成部品の選定方法、新しい部品や
手法で患者が受け取る恩恵について紹介されました。

 国内でも高齢の切断者が増加していることから、臨床従事者にとって大変興味深い内容であったと思います。

3日目:ハンズオンセミナーを開催

 大会3日目には弊社とオズール社との共同協賛で、電動義手のハンズオンセミナーを開催しました。

 定員の24名を超える参加者にお集まりいただいた中、座長の田中洋平Dr.(JR東京総合病院)、
シンガポールの作業療法士シャロン・ゼア氏、弊社の石橋の3名から、各々の立場から電動義手を導入する際に
必要な情報・経験についてご講演いただきました。

 オズール社の電動義手i-limbは高機能な製品ですが、適切な治療や訓練と組み合わせることの必要性を
共有できたと思います。

「電動義手i-limbハンズオンセミナー」の様子

4日目:脳卒中のリハビリについての講演

 大会4日目は、弊社がランチョンセミナーを協賛させていただきました。

 座長の高橋秀寿Dr.(埼玉医科大学)の下、吉尾雅春先生(千里リハビリテーション病院)による
脳・カラダ・姿勢の仕組みから考える脳卒中のリハビリテーションについてご講演いただきました。

 整理券の配布予定枚数を超えるほどの参加者にお集まりいただいた中で、複雑な連鎖からなるヒトの歩行を
再建するために、目的・方法・手段を考えて治療することがいかに重要であるかを提示されました。

 セミナー後は多くの方が弊社のブースにお越しくださり、吉尾先生のセミナーでご紹介頂いた製品についての
感想やお問い合わせを賜ることが出来ました。

会場の様子

展示ブースの様子

 企業展示においても非常に多くのブースが設置されており、それぞれのブースに参加者の動線が重なるような
配慮がされており、浅見大会長はじめ運営事務局のきめ細かい心配りが感じられました。

学術集会から得たこと

 「…再びその人らしく生きることを支援するリハビリテーション医学・医療は、言い換えれば
  『再生の医学・医療』にほかなりません。

  この『再生』を、私たちは今後もしっかりと暖かく羽ぐくんで(育んで)いく必要があります。

  そのためには、病院や施設、ならびに在宅でのリハビリテーション医学・医療を充実させ、人々の
  日常生活活動を向上させ、自立を促し、早期に社会復帰を果たす支援をすることが基本になります。


  そして、急性期、回復期および生活期のすべてにおいて、リハビリテーション医学・医療に携わる
  医師が大きな力を発揮していくことが重要です。」


 これは浅見大会長のご挨拶文章から部分引用ですが、リハビリテーションに係る全ての人にとって必要な
情報が散りばめられた学術大会であったと思います。
 参加者各々の立場で、必要な情報は異なると思いますが、間口の広さと奥深さを感じられ、多くのドキドキと
ワクワクに出会えた4日間でした。


 最後になりましたが、弊社の学会協賛イベント並びに展示ブースへお立ち寄りいただいた皆様への感謝、
学術大会の運営に携わられた方々への感謝を記して、この報告を結びたいと思います。
 
 ありがとうございました。