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パシフィックニュース

クイックレイザー2を利用して尊厳あるケアを

リフト・移乗用具

クイックレイザー2を利用して尊厳あるケアを

~クイックレイザー2利用事業所からの発信~

株式会社ケアサービスとも 小規模多機能型居宅介護「良さんの家」 責任者 今泉 たまき(看護師)

2011-01-01

葛藤の日々の中で

当会社は、東京都足立区で居宅介護支援、訪問介護、小規模多機能型居宅介護を2ヶ所運営している法人です。居宅介護支援や訪問介護のサービス提供を行う中で、既存のサービスでは、在宅生活が継続できなくなるケースや、最後まで今迄の関係を断ち切ることなく、対応できるサービスの必要性を感じ、平成20年8月に当会社の代表取締役の住まいを改修して、小規模多機能型居宅介護「ともの家」を開設しました。

小規模では重度の認知症のケース、歩行困難なケースも多く、当初の予想より介護度の重いケースの利用者を多く受け入れることになりました。認知症で脳梗塞の後遺症があり、1日に何度も「トイレ、トイレ!」と訴える利用者の、トイレへのトランスファーを行いながら、「このままでは自分の身体や腰が持たない。」という心理と「利用者のトイレで排泄したい希望をかなえてあげるにはどうしたらいいか?」という葛藤の毎日でした。

クイックレイザー2との出会い

そんな中、元勤務先に福祉用具の知識をもったスペシャリストの看護師さんがいたことを思い出し「利用者をトイレに連れていく時に、ズボンの上げ下ろしが楽にできる用具はないか?」と相談したところ、紹介してくれたのがクイックレイザー2との出会いでした。

自分の身体で試してみましたが、座った状態から立たせる時にも吊りあげられた違和感はありませんでした。立位がきちんととれるので、背筋がしっかり伸びて気持ちがよく、立ち上がりの訓練になることも判りました。それからは、車いすレベルの利用者は、このクイックレイザー2を使用して、トイレ移動・入浴時のシャワーキャリーへの移動・立ちあがり訓練などに利用しています。

利用者の希望をかなえるケア

「トイレで排泄したい」という、人間なら誰しも当たり前に思うことが、麻痺があったり、歩行ができなくなると困難になってしまいます。
たとえ重度になっても利用者の希望をかなえることができるケアを私たちは望んでいます。その上で、私たちの腰や体を痛めることなく、安全に介助できるということが、この福祉用具の最大の特徴だと実感しています。

小規模多機能型居宅介護「良さんの家」の見学希望がある時は、必ずクイックレイザー2の体験や、実際のケア場面をいろいろな方々に見ていただきますが、このような福祉用具を活用して、重度利用者のケアを行っているところは見たことがない、という声を多く聞きます。二ヶ所目の開設時も、まず一番最初に考えたことは、クイックレイザー2が使える間取りでの改修でした。

事例紹介

写真に写っている事例(1)のYさんはクモ膜下出血後で右麻痺、認知症のある利用者です。

他県にある特別養護老人ホームに入所されていましたが、子供たちの近くでの介護を希望され、「良さんの家」の開設と同時に「良さんの家」の2階にあるアパートに引っ越しました。昼間は1階の「良さんの家」に通う生活をしています。トイレでの排泄の希望が強く、夜間はおむつで対応していますが、日中はクイックレイザー2で1日4回から5回の排泄を行っています。麻痺が強く、体重も重いので通常のトランスファーではとてもトイレへの移動は困難ですが、クイックレイザー2のおかげで、トイレ移動がスムーズです。本人も用具にも慣れ、安定した状態で利用しています。

事例(2)のTさんは、小児麻痺・脳出血の後遺症で重度の右麻痺があります。介護者の奥様も障害を抱え、足が不自由ながら在宅で介護していました。
住宅には段差昇降機、浴槽にはリフトをつけ介護していましたが、奥様の骨折をきっかけに、小規模多機能のサービスを週6回利用することになりました。休みの1日は奥様が介護していますが、トイレ介助が1日7回から8回あり大変な介護になっています。「良さんの家」で週5回の通いサービス、泊りサービスを週1回行い、排泄はクイックレイザー2を利用しています。

「ここの事業所がなかったら二人で共倒れをしていた」と介護者の奥様もしみじみ話されています。ご本人も、ここならクイックレイザー2があり、自分の望むケアをしてもらえるので大変喜んで通っています。

事例1:Yさん

事例2:Tさん

安全で安楽なケアの実現

ケア度の高い、重度の介護はご本人のみならず介護する家族の負担も大きいものがあります。その中でも排泄・入浴は、最も介護の大変なケアの一つでもあります。クイックレイザー2との出会いが当法人の小規模多機能居宅介護のケアの在り方を築き、法人の理念を実現する手段として大いに現場で活用されています。
私自身、福祉プランナーとして様々な福祉用具を見てきましたが、「魔法の用具」と呼べるほど現場で活用できる用具だと感じています。重度利用者の介護にたずさわり、長くこの仕事を続けていくためには、適切な福祉用具の選定は、とても重要な視点だと思います。

当法人は、今年同じ足立区内に、三カ所目の小規模多機能居宅介護とグループホームの開設を控えています。そこでも重度の利用者が今から入所待ちになっていますので、このクイックレイザー2を活用して安全で安楽なケアの実現を目指していきたいと思います。

株式会社 ケアサービスとも 運営理念

Ⅰご利用者一人ひとりの思いを大切にし、希望する生活の実現を支援します。
Ⅱご利用者の生活の自立に向け、ご利用者と共に努力します。
Ⅲご利用者及び、ご家族の声を積極的に聞く姿勢を持ち続けます。
Ⅳ開かれた施設作りを進め、地域全体で支えあう施設作りを目指します。
Ⅴ最後まで、在宅で看取れる介護体制でご本人、ご家族の生活を支えます。

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