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パシフィックニュース

V-trakで広がる可能性 ~その1~

車椅子/姿勢保持

V-trakで広がる可能性 ~その1~

V-trakが素敵なユーザーとの出会いを運んでくれました。
「うぇるぱ高知」スタッフ、高橋真子様(IT通信担当)より、2回にわたりV-trakユーザーとしての声を発信していただきます。

高橋 真子(うぇるぱ高知)

2011-04-01

◎ 病との関わり

わたしは高知県に住んでいます。非福山型先天性筋ジストロフィーという病気で、気管切開をし、24時間人工呼吸器をつけています。現在は、食事やトイレなど、日常生活行為はすべてにおいてほぼ全介助のため、重度訪問介護で訪問介護のサポートを受けながら在宅生活をしています。
生まれた頃は病名も分からず、手探り状態で地域の保育園、小学校、中学校へ通いました。小学校での生活は、障害児学級で加配の先生もついていましたが、特別な介助を必要としなかったので、ほとんどの時間をみんなと一緒に過ごしました。小学校高学年に上がる頃、病気が進行して歩行も難しくなり、車いすに乗るようになりました。小学校卒業の頃、病名が分かりましたが、治療法もなく、だからと言って落ち込む事もなく、病名告知については何とも思いませんでした。中学校での生活は、徐々に病気が進行し、卒業とともに県外にある専門の医療機関へ長期入院しました。
専門の病棟ということで、たくさんの同じ病気の友達と出会うことが出来ました。今まで知らなかったことや気づかなかったことも多く、また、同じ病気の友達と過ごしていると、気持ちを共感できたり自分の世界も広がったという面ではプラスになりましたが、当時の医療や看護の現場としてはひどい場面ばかりでした。
2002年の秋に、誤嚥からの重症肺炎を繰り返し、長期の入院になりました。病気が進行する中、気管切開、喉頭気管分離術、胃ろうのどれかを選択することを決断しないといけない時期が来ました。食べることと話すことは諦めたくなかったため、必死でその情報を集めました。色々悩んだ結果、気管切開を決断し、2003年の夏に気管切開しました。情報を集めた甲斐あって、気管切開しても食べることと話すことも諦めず実現することができ自分の願った医療や看護を受けることが出来ました

写真1

◎ うぇるぱ高知の存在

2003年の冬に、パソコンを設置するアシスタンドという、福祉機器を導入しました。アシスタンドを使うことによって、ベッドで横になっているときでもパソコンが出来るようになりました。このとき、生き活きサポートセンターうぇるぱ高知の下元さんに出会いました。うぇるぱの活動や高知福祉機器展の存在を知り、何かお手伝いしたいと思い、高知福祉機器展のメーリングリストを立ち上げて管理を始めました。2004年の春には、下元さんとボランティアの看護師さんと、大阪で開催されたバリアフリー2004へ行きました。そこで、たくさんの福祉機器があることを知り、また、福祉機器は自分の体に合ったものを選ぶ、さらにカスタマイズして自分の体に合わせる大切さを知りました。
2006年の秋、訪問看護中の転倒事故により、たくさんの機能を失いました。病気が進行する中で、少しでも残存機能を維持することを大事にしていたため、一瞬の出来事で、その機能を失ったことはとてもショックでした。ご飯を食べることや字を書くこと、自発呼吸も失いました。事故をきっかけに24時間人工呼吸器をつけることになり、車いすへの搭載も考え、車いすを作ることになりました。長時間座ることを前提に、リクライニングとティルトの機能も取り入れました。車いすのベースはオーダーメイド。車体カラーは、大好きなブルーとピンクのグラデーション。ホイールカバーは空と雲の模様。また、人工呼吸器や吸引器など、日常に必要なものを載せられるように搭載台も作製。人工呼吸器を安全に搭載できるように、呼吸器本体に合わせたフレームも作製してもらいました。
この車いすが出来たことによって、人工呼吸器をつけながら車いすでの生活が可能になりました。

写真2.

◎ V-trakとの出会い。そして感動・・

2010年の春頃から、座位保持が難しくなってきたのをきっかけに、訪問リハを受け始めました。座面のクッションを違うものに交換したり、ウレタンのクッションで座位を調整していました。その頃、うぇるぱのメンバーから「V-trakというバックシートのデモをしてみないか?体にピッタリ合わせることが出来るから姿勢が楽になるよ。」と言われました。デモをして体に合えば手放せなくなるのではないかとの心配もありましたが、とにかく試してみない?と言うことでデモをすることになりました。
デモの日は、半日ぐらい掛けて調整しました。側湾で曲がった体の歪みに、少しずつバックシートを合わせていっていると、合わせば合わすほど座位が取りやすくなり、グングン良い姿勢が取れるようになり、首も起こせるようになりました。今までは首がすわらず、視線が常に天井を見ている状態だったので、バックシートを変えることでこんなに良い姿勢がとれるということと、首がすわることで視界も違うし視野も広がることに感動しました。良い姿勢がとれることで、首がすわって腕も動かせるようになって、何よりも携帯を自分で操作できることが大きな発見でした。(次号へ続く)

携帯は必需品

Vtrakバックシート

まこさんは、筋ジストロフィーという難病です。気管切開を決意し、24時間人工呼吸器を使用して在宅生活を送っています。
うぇるぱ高知にはなくてはならぬ存在で、みんなの情報交換の場(メーリングリスト)の管理・機器展時の記録などを、得意なパソコンで行っています。さらになんと!自宅に居ながら、インターネット回線を使って、メッセンジャーでのwebチャット(映像と音声で会話が出来るツール)を利用し、事務局で行われる高知福祉機器展実行委員会に参加しています。他に、バクバクの会(人工呼吸器をつけた子の親の会)の中四国部幹事や、難病とケアの原稿作成、講演会など多忙な毎日を送っています。《うぇるぱ高知HPより抜粋》