パシフィックニュース
震災特集 1
震災特集
とうげ工房 菊地泰平
2011-07-01
3月の東日本大震災から3ヶ月が経過しました。被災後の復興は、困難で長期にわたることを覚悟しなければならない状況にあります。5月、被災地の情報を共有しているメールの中に、被災地のありのままを伝えるメールがありました。そこには、メディアから流れる情報の陰で、埋もれさせてはならない現実がありました。
今後、パシフィックニュースでは【震災特集】を企画し、人的・物的被害状況から、義肢装具、補助器具の供給、今後の被災地支援の在り方を皆さまと共に考えながら、被災地情報を発信し続けてまいります。
幾たびの大震災を経験した日本。今回の東日本大震災の中で今を生きる私たちが、どのように立ち向かい、行動したのか、後世に向けての教訓となるべく記録を小誌に残していきたいと考えました。被災地や災害弱者の現実に目を向けた復興支援が広がり、継続されていくことを、心から祈っております。
第1回目は、被災地福島県いわき市 とうげ工房・菊地さまからの現地報告です。
現地からの報告 2011年5月 とうげ工房 菊地泰平
~中略~
連休の初日にいわき市に入った全国からのボランティアの数は700人を超え殆どが跡片付けに回るそうです。何かをしたい思いと被災した人への気持ちを重ね合わせています。
私も独自で避難所での調査と活動を進めていましたが、3月中は騒然としていました。その中で早かったのは医師会等から派遣された医療チ-ムでした。医師、看護士、薬剤師など普段から準備しているところが対応していました。
このような災害時支援のしくみづくりや人材育成をすることが一考されます。
福島県の人は全国各地に避難しています。原発の影響を心配して子どものために避難した家族が多くいました。障害を持った子は環境の変化や生活ペ-スの崩れ、我慢などでパニックを引き起こしました。私の友人は市内で広めた障害を持つ人のグル-プホ-ムの支援体制が一気に崩れその後の奔走に疲労困憊でした。
80キロ圏内の放射性物質の測定結果が発表されました。炉心で起きていることや土壌や海水などの汚染の広がりはまだ明かされていません。市内でもマスクを外して普通の服装が多くなってきました。ジョギングをする人もいます。
避難所から仮住宅に移った人は思い切り洗濯物を外に干していました。避難所では目の前の現実に精一杯です。しかし多くの住宅の窓やドアは閉められています。見えないものへの恐怖心をとることは難しいと思いました。また見えないものへの自己防衛を長く続けるのも難しいと痛感しました。
原発から近くに住んでいた家族と連絡が取れて座位保持装置の仮り合わせが行なわれました。まさか避難生活が起こるとは・・・・。
これから姿勢のためにも関わりが増えていく椅子になることを願いました。震災の陰で隠れそうになることを大切にしたいと思いました。
現地写真
追記
いわき市では地震後に海岸沿いの地域が津波で壊滅的な被害を受けて街には多くの避難所が出来ました。その後、原発事故の影響も加わり騒然となりました。さらに断水や物流も止まったことで街から脱出するひとが続出しました。そんな中で障害を持った人達も様々な状況に至たりました。施設では県外へ避難したところもありました。介護関係者の支援を受けてなんとか持ちこたえた在宅の人がいました。お父さんが身を挺して原発の復旧作業に出かけた家族がありました。
NICUから在宅養育しているお子さんの命を家族が必死に守りました。医療用器具が搭載出来るコンパクトな車いすも活躍したそうです。2ヶ月ぶりに訪れた入所施設ではそれまでの姿勢保持への取り組みが生かされて屋外へ全員がすばやく避難出来たり、直後からの姿勢保持ケア-で体調を維持出来た事をお聞きました。我々の仕事も力になっています。
とうげ工房
今回の報告は、5月時点でのいわき市の現地報告でした。現実把握と状況変化に応じた適切な支援の広がりを期待します。
ドイツ・マイラ社より被災地への支援物資をいただきました
マイラ社からのメッセージ
大震災が日本の方々へもたらした甚大で想像を絶するような被害、人々の辛苦。弊社のスタッフやドイツの人々の心の中で、依然として深い影響を与えています。被災された方々へ、特に障害を持つ方々に対して何かできないだろうか、と考えました。
そこで、我々の子ども用車いす、歩行器、トイレ用車いすを船便(20フィートコンテナ)にてお贈りすることと致しました。2011年7月5日にドイツを出発し、8月上旬には日本に到着する予定です。わずかばかりですが、我々の支援が厳しい状況にいらっしゃる日本の方々へ少しでも励ましとなることを願っております。
2011年6月9日
Barbara-Meyer Brakhage
Associate
MEYRA-ORTOPEDIA
マイラさん
ブリックス
レター
パシフィックニュース/ホームページをご活用ください。
支援物資を被災地の方々にお送りしております。
川村グループでは現在、ご使用になっていない福祉用具をお客様よりお預かりし、被災地で必要とされる方にお送りしております。おかげさまで関西を中心にたくさん物品をお預け頂いております。物品に関しましては弊社が責任をもって修理・メンテナンスした後、送付(無料)致します。
製品は随時ホームページに画像をアップしておりますのでご確認頂き、必要とされる方はお申込みください。
すでに義肢協会さま、福祉協議会さまなどにご利用頂いております。
個人さまからのご依頼も承っております。
http://www.p-supply.co.jp/shien/
マイラ社の支援物資も到着次第随時、公開してまいります。
パシフィックニュースでは、この災難を一過性に終わらすことなく、被災地状況や皆様の活動を記録として全国の方々にお伝えしたいと考えております。
○震災後の活動やお抱えの問題
○現場でのご活動
などをお教えください。現地取材も含め、被災地からの活躍・現地の『声』を全国の方々に知って頂く機会にしたいと考えております。
shien@p-supply.co.jp
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