パシフィックニュース
「ノーリフト®宣言」と姿勢ケア
車椅子/姿勢保持
リフト・移乗用具

社会福祉法人 神港園
特別養護老人ホーム神港園しあわせの家
2021-06-01
はじめに
こんにちは。パシフィックサプライ地域担当の世良と申します。今回インタビューさせていただいた神港園(しんこうえん)しあわせの家さまでは、昨年『ノーリフト®宣言』を行い、新しい取り組みを始められました。『ノーリフト®宣言』1年間の歩みや気づきと姿勢ケアの繋がりについて、コロナ禍での取り組みについて、作業療法士の渡部さんにお話頂きます。
『ノーリフト®』※って移乗の話? 姿勢ケアにどんな繋がりがあるの?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
ぜひご一読いただき、新しいヒントにしていただけますと幸いです。
※ノーリフト®ケアとは※
介護される側・する側双方において安全で安心な、抱え上げない・持ち上げない・引きずらないケアをノーリフト®ケアと呼びます。「安全で安心な」看護・介護を提供するには、身体の間違った使い方をなくし、対象者の状態に合わせて福祉用具を有効に活用し取り組むことが必要です。(普及推進委員用テキスト ノーリフト®ケア マネジメントマニュアルより)
~ 目 次 ~
1.2020年4月1日『ノーリフト®宣言』
2.コロナ禍での「オンラインケース相談」!?
3.ケース相談から見えてきたもの
4.神港園さまでのポジショニングの取り組み
5.教育・研修の大切さについて

2020年4月1日『ノーリフト®宣言』


私たちはご利用者にあった臥位・座位姿勢を提供します。
という項目を取り入れ、自立支援の観点から姿勢ケアにも焦点を当てています。

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「より多くの人につかっていただきたい!」というご厚意で、ダウンロード/印刷ができるようにしております。
ご家庭・職場で印刷の上ご活用いただき、一緒に腰痛ゼロ運動の輪を広げていきましょう(^^♪
※A3用紙での印刷がおすすめです!



- 統括マネジャー
- 職員の健康管理担当
- 教育担当
- 個別アセスメントとプランニング担当
- 福祉用具導入計画・管理担当
取り組みの始めに、職員の腰痛の現状把握や身体的につらいと感じる業務・危険と感じる業務のアンケート調査を実施しました。その結果、特にトイレ介助場面において職員・ご利用者双方の負担が大きいこと、拘縮のあるご利用者の介助がしづらいこと、が分かりました。
その後、各メーカーのスタンディングリフトのデモ機を比較検討し始め、ポジショニングの勉強会も開始しました。




でも何よりご利用者の変化に立ち会った職員は感動して…そのあと、この時の動画を、常務理事、企画・財務部長、施設長、副施設長に見せて回りました(笑)


話を戻しますと、スタンディングリフトだけで全てが変わるわけではありませんが、こちらのご利用者さまにとって、「抱え上げの介助」が24時間の生活の中で大きなマイナス要因だったのかもしれません!緊張が緩んだ状態で次の活動がどう変わるのか、楽しみですね!
コロナ禍での「オンラインケース相談」!?











その後も何度かZoomでポジショニング相談をさせて頂きましたが、それらを通じてZoom相談・研修サービスの事業化が決定したとのこと!(^_^)/ コロナ渦でもできることは何か、そして、どの様な形でそれを実行すれば良いか、お互いに模索し、WIN-WINの結果を得られたことは大変嬉しい経験となりました。
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ケース相談から見えてきたもの








今後は、それらに加えて相談・研修後の体制作りにも力を入れ、相談・研修費用の何倍もの成果を得られるように頑張っていきます!!
R3年度の腰痛予防対策推進委員会の目標は、『過ごしやすく 働きやすい施設に 自分達で変えていく』に決めました。“自分たちがやるんだ”という主体的に関わる職員を1人でも増やしていきたいと考えています。
神港園さまでのポジショニングの取り組み




今後もご利用者の24時間の姿勢変化に注目しながら、より良いノーリフティングケアに取り組んでいきたいと考えています。


〇食事前の移乗で緊張が緩んでいるからこそ、食事中もリラックスして咀嚼や飲み込み動作が良くなっている。
〇身体の緊張が緩み呼吸がしやすくなる、首がリラックスして口元が動かしやすくなることで発語が増える。
部分的なケアを変えるのではなく、前後の活動・24時間のケアに注目することでノーリフティングケアを実現されているんですね!
教育・研修の大切さについて

※2021年3月5日(金)実施「医療・福祉・生活をつなぐ 24時間姿勢ケア」オンラインセミナー セミナー実施報告はこちら>>

また、介護職への伝達が特に難しいと感じるのもポジショニングです。今回の研修でも、臥床時のポジショニングにとどまらず、24時間の生活の中で、いかに多様な姿勢を提供できるか、技術面だけでなくマネジメントの視点が必要、など新しい学びがありました。特に腹臥位姿勢は、障碍児への支援では経験がありますが、高齢者にも試してみたいと思いました。またポジショニング後のチェックポイントはすぐに使える知識でしたので、早速使ってみたいと思います。
特養は重度な方がたくさんいらっしゃるので、24時間うち、2/3以上をベッド上で過ごされる方も少なくありません。ベッド上での姿勢を快適にして差し上げるのはとても重要なことです。



今はさまざまな方法で情報を入手することができますので、「客観的な視点」として弊社のセミナーもご活用いただけたらと思います。
今回はたくさん質問にお答えくださりありがとうございました!


さいごに
『ノーリフト®宣言』から1年。等身大のお話をお聞きすることができました。
『過ごしやすく 働きやすい施設に 自分達で変えていく』
1年間真剣に向き合ってこられた神港園さまだからこそのとても素敵な目標だと思います。
神港園さまでの取り組みについては、ぜひホームページもご覧ください!

この記事が、読んでくださった方の励みになり、刺激になり、支えになればいいなと思います。
職員さま、ご利用者さま、皆さまが笑顔で毎日を過ごせますように。
また、そのお手伝いができるよう、私共も励んで参ります。

(左)シーティングエンジニア:杉本 昌子
(右)地域担当:世良 美帆
≪オンライン:困難事例へのアプローチ≫
・緊張・拘縮の強いご利用者さま、・身体がかたく更衣や生活介助にお困りのご利用者さま に対して、
ラッサルクッションの貸出と、オンラインケース相談をセットでご利用いただきます。
少しでもご興味のある方、まずはご相談だけでも大丈夫です!ぜひお問合せ下さい。
困難事例へのアプローチ>>
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