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高地福祉機器展 第1回キッズバリアフリーフェスティバルを開催して

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高地福祉機器展 第1回キッズバリアフリーフェスティバルを開催して

あおぞら診療所高知潮江 医師 松本 務

2012-01-01

あおぞら診療所高知潮江 医師 松本 務 http://www.kochi-aozora-clinic.jp/

はじめに

あおぞら診療所高知潮江は2009年に開設された在宅療養支援診療所で、年齢、疾患、重症度、予後にかかわらず、在宅療養を希望される患者様とご家族様を支えることを理念としています。様々な地域の活動と連携をしていくなかで、2002年から開催されている高知福祉機器展に出会い、医療相談のブースに参加させて頂く機会を得ました。
そして2011年、高知福祉機器展が開催10年目を迎えた節目の年に、小児とその家族、支援者を対象にした第1回『キッズバリアフリーフェスティバル』を生き活きサポートセンターうぇるぱ高知、高知県社会福祉協議会の主催で開催することができました。

写真1

開催趣旨

小児の特徴は成長、発達していくことにあります。また年齢により主な生活の場が変化し、かかわる人が変わっていきます。小児の成長過程において適切な福祉用具を使用するためには用具の選択にとどまらず、生活の場における実際の使い方にまで目を向けなければなりません。支援者は地域に根ざした、継続的な支援体制を常に意識しなければならないのです。
今回のキッズバリアフリーフェスティバルには小児とその家族を支えるべく、福祉、教育、医療と幅広い分野の専門家の方々の参加をお願いしました。これを機会に小児とその家族を支えるチームの輪が生まれ、広がっていくことが私たちの願いです。

キッズバリアフリーフェスティバルの内容

誰もが生活を快適で豊かにできる福祉用具を幅広く知って頂くために開催されてきた「高知福祉機器展」での経験を通じて、もっと高知で子どもに必要な福祉用具、医療機器を見て、試して相談しながら選べる機会が必要だと感じました。展示内容はまさに見て、試せるものとして、その種類もできるだけそろえるようにしました(1)。
相談コーナーでは「ワンストップで相談を受け止める」、「問題解決型のアプローチ」、「継続的な支援に結びつける」を合い言葉に複数のブースを設けました(2)。
また支援者がより良い支援を行うための豊富な情報を得られる機会が必要だと感じ、専門の先生方をお招きしてセミナーを開催しました(3)。

(1)展示内容

車いす、歩行器、ベッド、マットレス、排泄用具、入浴用品、自助具、嚥下食、栄養補助食品、視覚・聴覚用品、コミュニケーション、住宅改修、靴、医療機器、他

(2)相談コーナー

「感覚統合のご相談」
「病気や医療制度についてのご相談」
「ルミエールサロン出張相談」
「義肢・装具・靴・足の相談」
「スマイル・サポートのコーナー」
「おしり回りのご相談」
「姿勢・体・福祉機器などの事についてのご相談」
「ことばやコミュニケーションと飲みこみについてのご相談」
「お口のご相談」

(3)セミナー

「シーティングセミナー 姿勢保持の基本を見直そう!」
東洋大学ライフデザイン学部教授 繁成 剛 先生
座学と実際にウレタンをカットして姿勢保持の実際を学びました。
「重度な障害がある子どもたちの生活環境づくりの工夫」
岸本 光夫 先生(フリーランス作業療法士として活躍)
重度な障害のある子どもたちの発達経過を振り返りながら子どもたちの日常生活支援のあり方についてお話頂きました。
「重度障害をもつこどもたちを守るために?セラピストのあり方を考える?」
平井 孝明 先生 理学療法士 平井こどもリハビリテーションサービス代表
高知の障害キッズをとりまく環境をよりよくするために、リハビリを通じた様々なアプローチから勉強をさせて頂きました。
「教育現場での取り組み?こどもを笑顔にする姿勢保持や活動を促す工夫?」
篠原 勇 先生 京都府立与謝の海支援学校
子どもたちの活動、笑顔を増やすために、支援学校で日々子どもたちに向き合われている先生から具体的な実践内容をたくさん紹介して頂きました。

キッズバリアフリーフェスティバルを開催して

2011年11月5日(土)、6日(日)の2日間の開催で計600人以上の方に参加して頂くことができました。東西に広い高知県下のみならず、四国4県、遠くは京都や愛知から参加して頂いた方もいらっしゃいました。通常の高知福祉機器展と比較すると、「キッズ」と対象者を絞ったことで、「子ども対象の内容は少ないのではないか・・・」と今までは参加を見送られていた方々にも参加して頂けたように感じました。また特別な目的はなく、「ふらっと立ち寄って」下さった方も多数いらしたようで、参加の敷居を下げることができたと思います。
アンケートでは、「いろいろと試乗できた(バギー、車いす)」、「子ども用はなかなか見られないのでよかった」、「シーティングの調整、車いすの情報などが得られた」、「日常生活で不安に思っていたことが相談できた」、「リフトの試乗ができ、スリングも試すことができた」、「セミナーがよかった」、「どこに相談すればいいのかわかった」などポジティブな意見を多く頂きました。また一方では「商品が少なく感じた」、「スペースを広げてほしい」、「あまりキッズ向けではないと思った」など、今後の課題も頂くことができました。

アンケート

おわりに

今回のキッズバリアフリーフェスティバルの経験をさらに推し進めて継続的な活動としていければと思います。ご協力頂きました多数のメーカー様、ボランティアの方々ありがとうございました。
皆様も機会があれば是非ご協力、ご参加頂ければ幸いです。