パシフィックニュース
Ossur社 膝継手の紹介
義肢
2012-01-01
- 切断者の随意制御能力と義足装着のゴール
二つの視点から見たOssurの代表的な膝継手と足部についての製品選択ガイドラインです。
- 膝継手の基本情報
ガイトライン
基本情報
バランスニー
立脚相での安全機構
多軸機構により安全を確保します。軸位を変更することで、固定膝に近い安全状態から、適度な安定状態までの調節が可能です。
遊脚相での振り出しの制御
伸展補助バネの強弱を調節することで、振り出し中の膝継手の最大屈曲角度を調節できます。軸への抵抗摩擦を変更することで、足が前方に伸びるタイミングや伸び切り時の衝撃を調節できます。
軸位は最も安定状態です。
回転中心は後方の高い位置にあります。
歩行場面では、ほぼ、膝継手は固定膝のように安全を確保します。
軸位を最も不安定な状態に調整しています。
回転中心は、前方、下方に移動しますが、尚、上後方にあり、安全で安定した歩行が可能です。
伸展補助バネの強さを調節します。
かかとが大きく跳ね上がるようであれば、バネの働きを強くします。
かかとが十分に上がらず、振り出し中につま先が床に着くようであれば、バネの働きを弱くします。
軸にかかる摩擦を調節します。
膝の伸びが早く、衝撃が強すぎるようであれば、時計回りにネジを締め、摩擦を強くして衝撃を和らげていきます。
バランスニー
バランスニー
写真
トータルニー
全てのモデルに共通する立脚相での安全機構
1)自動固定機能機構により安全を確保します。
2)固定後の軽度屈曲機構により、安定を高めます。
立脚初期にかかとが地面に着いた瞬間に膝の固定機能が作動します。膝はロックされ、膝折れしません。
膝を固定した状態でバンパーゴムにより、軽い膝の屈曲(最大15度まで)を許し、安定を高めます。
重心がつま先に移り、反対側の足が地面に着くと、固定機構が解除し、膝が自然に曲がります。
膝継手が完全伸展した状態で、かかとが地面に着くと、自動的に膝が固定状態となります。確実に膝折れを防ぎ、安全を確保します。
膝継手の固定が保持された状態で、膝継手下方の回旋軸を中心に15度までわずかに屈曲するように設計してあります。安定性を高め、切断肢や身体全体への衝撃を緩和します。
トータルニー
遊脚相での振り出しの調整 トータルニーモデル1900
伸展補助バネが振り出し中の膝継手の最大屈曲角度を制御し、同時に確実な膝継手の伸展を助けます。
膝継手の屈曲伸展動作に対して、ポリマーを用いて摩擦抵抗を加えることができます。抵抗の大きさは、前方の調節ネジにより調節できますので、滑らかな振り出しを実現できます。
ただし、早歩きを含む歩行速度の変化や、長時間歩行では、ポリマーが熱により膨張し抵抗が極端に強くなり、膝の曲げ伸ばしが不能になります。
TK1900は訓練用仮義足や訓練後の予後予測が屋内やショッピングセンター内での歩行など、コントロールされた環境下での、短時間の歩行による移動能力の獲得の制限内で適用します。
モデル1900の対象者は、“一定速度で、主に屋内を歩行する切断者”です。杖や歩行器などを併用する切断者向けの膝として設計されています。
モデル1900の対象者は随意制御能力に限界がある切断者です。膝の伸展が確実に得られるように、伸展補助バネの併用を推奨します。
ポリマー調節により膝の伸び切り時の衝撃を調整します。
適応性
膝の進展補助バネの併用を推奨
ポリマー調節により膝の伸び切り時の衝撃調整
遊脚相での振り出しの調整 トータルニーモデル2000/モデル2100
- 油圧機構により振り出しを制御します。
- 油圧の特性を生かし、歩行速度の変化に適切に対応します。
- 油圧による調節だけでなく、伸展補助バネを併用することで、活動的な切断者の強い振り出しにも対応できます。
- モデル2100はモデル2000に対して、25%油圧抵抗装置の容量を増しておりますので、走行にも対応可能です。
モデル2000、2100の油圧抵抗の調節はバルブA、B、Cの順番で行います。まず、Aの調節ネジで振り出し中の膝最大屈曲角度(ヒールライズ)を調整します。
Bの調節ネジでは、膝が伸展した状態から、Aのネジで調整した最大屈曲角度までの膝が曲がる柔らかさを調節できます。また、Bの抵抗を強くすると、膝を伸展する力が増し、膝が早く伸びるようになります。
膝の伸展に対する抵抗はCのネジで調節できます。膝が伸びにくいようであれば、ネジを緩めます。膝の伸びが早く、膝の伸び切り時の衝撃が強く、膝が伸びきってから接地までの時間にずれが生じ、義足側の歩幅が伸びてしまう場合にはネジを締めます。
トータルニーA
トータルニーB
トータルニーC
マウク イールディング膝継手
あらゆる生活場面に対応し、本人の高い能力を最大に引き出す膝継手です。
立脚相での制御機構
- イールディング
- 固定
- フリー の3つのモードを随時選択できます。
- イールディングモード基本設定です。
かかとに体重をかけ、膝を曲げようとすると強い油圧抵抗が発生します。強い油圧抵抗により、1)平坦路面での安全を確保し 2)階段や下り坂で抵抗を利用し、義足側に体重をかけながら交互に下りることができます。イールディング抵抗の強さを個別に調節できるのもマウクの特徴です。
- 固定モード膝を任意の角度で固定することができます。
固定は、装着者がレバー操作により行います。雪道など極不整路面での移動、厨房など狭い空間での荷物運び、通勤など長時間の立位、ハシゴに登っての作業などを安全に行うことができます。
- フリーモード膝のイールディングブレーキを任意に解除することができます。
膝には振り出し制御用の抵抗のみがかかります。走行のようなスポーツや自転車を漕ぐなどの動作を可能にし、装着者の活動範囲を広げます。
遊脚相での振り出し制御
大型の油圧シリンダーにより、振り出し中の膝継手の最大屈曲角度を制御します。
油圧抵抗の強さを調節することで、屈曲角度を変更できます。
膝の伸びのタイミングも同様に油圧シリンダーにより制御します。
膝の伸びが早く、義足側の歩幅が大きいようであれば、抵抗を強くします。膝が思うように伸びないようであれば、抵抗を弱くします。
マウク イールディング膝継手
写真
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