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導入から1年。障害者生活介護施設に聞く、モーリフトのサブスクサービス導入事例
リフト・移乗用具
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![導入から1年。障害者生活介護施設に聞く、モーリフトのサブスクサービス導入事例](https://www.p-supply.co.jp/data/topics/00000914-1.png)
サブスクで実現した介護リフトのある日常〜導入経緯と効果について〜
パシフィックサプライ株式会社
新規事業開発推進部
2025-02-03
社会福祉法人じねんじょ様は2023年12月に床走行式介護リフト「モーリフト」のサブスクサービスを開始され、しばらくは2つの事業所で1台のリフトを共有されていました。より効率的な活用のため、その8ヶ月後には2台目を契約するなど、現場で大いにリフトを活用されています。導入から1年でどのような変化があったのか、導入の経緯や現在の運用状況、ご利用者や職員の方々へのモーリフト導入による効果や満足度についてお伺いしました。
施設の紹介
〈運営法人〉
社会福祉法人じねんじょ(山口県下関市)![](https://www.p-supply.co.jp/data/files/00002783-1.png)
〈導入施設紹介〉
①生活介護サービス事業所「だいち」・利用者の年齢:18~48歳(平均30歳)
・利用者の体重:30~40kgが中心、50kg超が数名
・1日の利用者数:約15名
・スタッフ配置:利用者1.5名に対してスタッフ1名
![](https://www.p-supply.co.jp/data/files/00002784-1.jpg)
②放課後等デイサービス「むく」
・利用者の属性:小学生から高校生まで5名。
・利用者の体重:数名は体重が40kgを超える
・利用時間:放課後15時から17時まで利用可能。長期休み期間は9時から15時まで
・スタッフ配置:ほぼ1対1
![](https://www.p-supply.co.jp/data/files/00002785-1.jpg)
2023年12月にサブスクサービスでモーリフトを導入する以前の、施設でのリフト使用状況を教えていただけますか?
施設が設立された2004年当初、天井走行リフトが導入されていました。しかし、当時は利用者さんの人数が少なく、職員も若かったため、介助作業の多くは人力で行われていました。天井走行リフトはトイレや浴室など特定の動線に限って使用されることはあったものの、あまり使われることがなく、人の手による介助が主流でした。
2021年に新しく施設を建てる機会に、ノーリフティングケアの勉強会を行い、施設内でその必要性が徐々に認識され始め、介助作業の効率化と安全性を高めるため福祉用具やリフトの導入が施設内で検討されるようになりました。
しかし、当時は機械の扱いに対する職員の不安や、導入に際しての運用面での課題も多く、実際の導入には至りませんでした。試用した機器がそれまでの利用者さんの個々に合わせた介助方法とうまくマッチしない場面があり、利用者さんやご家族からリフトで移乗を行うことへの心理的な抵抗もあったためです。その結果、リフトの導入には踏み出せず、電動昇降ベッドを採用するに留まりました。
具体的な場面としては、当施設の利用者さんは、入所施設のように決まった場所に自身のベッドがあってそこで過ごしておられるのではなく、同じ空間のいろんな場所で、横になったり車椅子を自走したり歩いたりと、その時々でそれぞれのスタイルで過ごされているので、その状況に合わせてリフトを動かすことに頭を悩ませました。その部分は今も考えながらリフトを使用しています。
そのような課題がある中で、モーリフトを決断した決め手は何でしたか?
2023年、モーリフトのデモ機を1ヶ月間試用したことが転機となりました。このリフトは施設の現状を大きく変えることなく、それまでの介助方法に沿ってスムーズに取り入れられるものでした。試用期間中、職員たちは利用者ごとに異なるスリングシートを試しながら、最適な組み合わせを模索し、成功体験を共有しました。特に、身体に変形のある利用者さんにも適したスリングシートを試す機会が得られたことで、実際の運用に対する手応えを感じました。
![](https://www.p-supply.co.jp/data/files/00002786-1.jpg)
デモ機の試用期間に利用者さんや職員の間でリフトを試す機会が積極的に設けられ、職員はリフトを使った介助の利便性を実感しました。例えば60kgを超える体格の利用者さんに対しては、体力的、技術的に介助できる職員が限定されていました。介助が属人的になると、できる人とできない人の間に不満や申し訳なさなどモヤモヤした感情が生まれてしまうかもしれません。利用者さんご本人も自分を介助できる職員がいないことで不安を感じられるケースもあります。皆がそんな思いを持たずに、誰でも使えるリフトを導入することで、利用者さんが安心できて職員も定着する施設運営を進めなければと考えるきっかけになりました。
さらに、サブスク形式での提供であったため、購入のように大きな初期投資や長期的な使用の義務感を感じずに導入を進められた点も決め手となりました。利用者さんの状態や介助内容が変化する中で、状況に応じて柔軟に対応できるサブスク形式の利点が、施設運営にとって大きな魅力となりました。この試用を経てモーリフトは職員にとっても利用者さんにとっても重要なツールとなり、正式な導入が決定されたのです。
モーリフトをサブスクで利用できることは大きなメリットだったのですね。それでは、導入後に具体的にどのような効果を感じられましたか?
モーリフトを導入したことで、施設での移乗は変わってきています。利用者さんにとっては移乗がスムーズになり、移乗中の視点の変化を楽しむといった心理的なプラス効果も生まれました。放課後デイサービスではリフトでの移動中に「やっほー」と喜ばれたり、スリングシートで吊られている際に足をちょこちょこと床につけてくるくると回るのを楽しんだりする方もおられます。
![](https://www.p-supply.co.jp/data/files/00002787-1.jpg)
一方、職員にとっては腰痛など身体的負担が軽減されただけでなく、移乗時に余裕が生まれることで利用者さんとのコミュニケーションを増やせるようになりました。これまでの人力介助では、抱えることに集中しすぎて利用者さんの表情を見る余裕がなかった場面も、リフトを活用することでその表情を見て声掛けしながら安心してもらえるようになりました。
運用全体においても、介助が属人的にならず、どの職員でも体格が大きい方に対応できる体制を作っているところです。これにより、職員間での負担感の偏りが減り、利用者さん・職員双方に安心感が広がりました。利用者さんとのよい関係性を築いた職員が、腰痛などで介助ができないことを理由に退職することをなくしたいと思います。
モーリフトがなくてはならないものになっている様子が伺えました。サブスクサービスに対する今後の期待や要望はありますか?
モーリフトの導入を通じて得られた体験から、さらに柔軟性があれば嬉しいです。例えば利用者さんや職員の今後の変化に合わせて、サブスクサービスの対象となる機器の選択肢がもっと増えれば、より多くの場面で活用できると思います。また、施設見学や事例共有の場を増やすことで、ノーリフティングケアの普及に貢献したいとの意向もあります。
利用者さんのご家族に対して、施設でリフトを使用して移乗する様子を見てもらうことで、リフト利用の心理的ハードルを下げることができ、「お互いに楽そうだね」といった前向きな反応もいただけています。実際にご家庭への導入に踏みきられたケースもあります。
こうした取り組みを続ける中で、施設では今だけではなく、5年後、10年後まで利用者さんと職員の双方に無理なく続けられるやり方を模索していきたいです。また、モーリフトの存在がこれからもっと社会に広がればと思います。
さいごに
モーリフトを導入されて1年。モーリフトが「なくてはならない存在」となり、職員と利用者さんやそのご家族が、現在だけでなく将来的にも安心して日常を過ごせる環境作りに貢献していることがお話を伺ってわかりました。機器やサブスクサービスの利用が、職員の方の働きやすさや施設運営の質の向上という結果につながることを、これからも目指してまいります。
モーリフトにご興味を持たれた方や導入をご検討されている方は、ぜひ一度お気軽にお試しください。
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