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パシフィックニュース

義足アライメントの可視化ツールの紹介

義肢

義足アライメントの可視化ツールの紹介

義足アライメントの可視化ツールの紹介

2012-07-01

義足装着者の様々な日常生活動作の結果、ソケット内にどのような力がどれほどの量で生じているか?
動作の結果ソケット内に生じる力(ソケット内反力)を可視化することはこれまで極めて困難でした。
今回紹介するスマートピラミッドは専用の解析ツール、コンパスと組み合わせることで、大がかりな動作解析設備無しで、あらゆる動作場面におけるソケット内反力を簡便に可視化することができます。

これまで以上に、客観的で再現性が高い義足のアライメント設定を可能にする道具として大いに期待できます。
義足納品後の在宅生活における義足適合の確認や、義肢装具士など専門職の教育場面での活用など、今後の切断者リハビリテーションを革新する可能性を持つ製品を本稿でご紹介します。

スマートピラミッドの説明

  1. 応力センサーをソケットアダプタに内蔵した製品です。
  2. 従来のソケットアダプタに代えて、下腿義足ソケット*の下方に取り付けて使用します。
  3. 義足装着時に実際に発生するソケット内反力を計測します。
  4. 計測したデータは製品内メモリーに自動的に記憶・蓄積されます。
  5. コンパスシステムと組み合わせることで、分かりやすいグラフで装着時のソケット内反力を確認できます。
  6. 製品の遠位部はピラミッド形状となっており、通常のクランプアダプタなどと接続できます。ピラミッドの中央には、Icerossシリコーンライナーに用いるピンが通る形状となっています。
  7.  製品はISO10328:2007の規格に準拠して製造しており、体重136kgまでの切断者に本義足部品として適用できます。

本体重量:132g
構造的高さ:20mm
標準価格:スマートピラミッド

スマートピラミッド

スマートピラミッドの適用

スマートピラミッドを下腿義足に実際に組み込んだ状態です。
ソケットはオズール社MSSに(モジュラーソケットシステム)Icelock214クラッチロックを組み合わせています。
足部はバリフレックスEVOタイプ。
標準的な日本人男性への適合ですが、構造的高さの問題は特にありませんでした。
装着者の方の主観的フィードバックは、特に普段のソケットアダプタから、スマートピラミッドへと部品を変更することによる、重量面や振り出しの感覚などの差は感じないということでした。

写真1

コンパスシステム

コンパスシステムはコンパスマスターユニットと専用ソフトウェアにより構成されています。
マスターユニットは簡単にスマートピラミッドに接続できるように設計されており、スマートピラミッド内に蓄積されたデータを収集し、Bluetooth®を介してPCにデータを転送します。

マスターユニットは接続したまま歩行しても、脱落しない設計となっていますので、実際に歩行を繰り返しながらの歩行解析が可能となります。
コンパス専用ソフトウェアは転送されたデータを解析し、

  1. 義足にかかる鉛直方向の荷重量、(反対側の荷重量)
  2. 矢状面、前額面のトルク
  3. 立脚相と遊脚相の時間
  4. ケイデンス(歩調)
  5. 足底圧中心の前方移動

これらの、義足アライメントを最適化する上での重要な指標を数値やグラフでその場で可視化します。

対応OS:Windows XP
現在は下腿義足のみ対応
2012年中に大腿義足へ対応予定

写真2

スマートピラミッド&コンパスシステムがソケット内反力を現場ですぐに可視化
そして、ソケット内反力を最適化するための、アライメント調整手順を助言。

  1. 立位時の左右の体重バランス、足底圧中心の位置が確認できます。
    スタティックアライメントの確認が可能です。
  2. 立脚相でのかかと、つま先にかかる力の移行線をそれぞれ示すだけでなく、移行線の適正範囲(緑の帯部分)を同時に示します。
  3. 前額面からも、力の移行線と適正範囲を同様に示します。
  4. アライメント分析
    歩行中の力の移行を解析し、具体的なアライメント調節の目安を示し、ソケット内反力の最適化を補助します。

1.体重のバランスと足底圧中心

2.歩行中の矢状面でのかかと、つま先側にかかる力

3.歩行中の前額面での力の軌跡

このように、本システムは医療・在宅臨床現場、教育、いずれの場面においても義足適合の可視化や標準化の有効な道具となり得ます。また、納品後の有料適合確認サービスなど、義肢装具製作所が提供する価値自体を広げる可能性を有しています。

ただし、システムが示す“適正”範囲と、装着者や義肢装具士の主観的“適正”の不一致など、ソフトウェアの日本国内向けのローカライゼーションの必要性などの課題もあります。

弊社ではオズール義足ユーザーへのピラミッドの無償試用サービスや、製作所や教育機関へのシステム全体のレンタルなど検討しております。サービスが明確になり次第、弊社ホームページなどでご案内いたします。