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パシフィックニュース

セーフティーケアカンファレンス2016に参加して

リフト・移乗用具

セーフティーケアカンファレンス2016に参加して

セーフティーケアカンファレンス2016に参加して

~安全な介助を考える会~

パシフィックサプライ株式会社 事業開発本部 中村 内彦

2017/1/4

パシフィックニュースでは2010年より、日本ノーリフト協会代表保田淳子氏、森ノ宮医療大学上田喜敏先生を初め、多くの医療・介護従事者の方々に腰痛予防に対する論文やエビデンス、取組み事例を執筆いただきました。『日本の介護現場から腰痛をなくしたい!』この願いを新たに2017年も発信してまいります。

セーフティーケアカンファレンス2016開催

セーフティーケアカンファレンス2016は、前身のSPH・Jカンファレンスから数えて3回目となります。今年は、(公社)関西シルバーサービス協会、JASPAリフト関連企業連絡会が主催側として、11月26日・27日大阪市社会福祉研修・情報センターを会場に、これまで以上に多岐にわたる講演・演題発表が行われました。

 

特別講演では、メーカー視点におけるリフト開発や導入にまつわる話、人間工学の視点からケア現場に機器を積極的に取り入れていく必要があるとの提案、県全体で福祉用具を積極的に地域に普及させる取り込み活動の報告の3つが行われ、いずれも興味深く考えさせられる内容でした。

 

それに続く、事例報告や課題提案なども忌憚なき発表が多く、現場の真剣さと必至さが感じられ、発表者と一緒に課題解決にむけ思考を張り巡らせながら、話を聞いていました。

発表後の質疑応答、及び感想からも、おそらく他の参加者も同様の心境だったと感じています。これは、「安全な介助を考える会」と銘打ったセーフティーケアカンファレンスの趣旨に沿った望ましい状況だと思いますので、来年以降も継続して参加出来ればと考えております。

セーフティーケアカンファレンス2016

著書販売

セーフティーケアカンファレンス2016 論文集

リフト導入後の利用者さまの精神的変化

その事例報告の中で、特に考えさせられた発表がありました。

「特別養護老人ホーム夕凪の里」の機能訓練指導員の高橋洋平氏の発表です。

 

発表内容自体は、スタンディングリフトを導入してからの施設内の変化を報告するもので、率直にいえば、始めはそれほど特徴的なテーマとは感じませんでした。事実、他の発表者からも同様な趣旨の報告はこれまでも行われていました。

 

しかし、決定的に違ったのは、変化の視点が「施設入居者さまの精神状況」とされていたことです。結果からいきますと、リフト導入により入居者さまの精神状態が改善され、日常生活にも良い変化を与えたとされています。

排泄ケアの向上に向けて

夕凪の里では、施設内の平均介護度が3.0から短期間で3.9になり、他の施設と違わずトイレ介助における職員の、身体的負担の増加が腰痛問題に繋がっていました。特に、重度認知症入居者さまへのトイレ介助は、他の介助場面へ影響が出るほどだったとのこと。

それによりトイレでの排泄ケア向上を目的に、リフト導入されたのが経緯です。

 

幸いなことに、リフト導入をすることで、当初の目的どおり職員の負担は格段に軽減されたと報告されています。具体的には、2人介助でなんとか行っていたトイレ介助が1人でも行えるようになったことで、中々行えなかったトイレ誘導の回数が増えたとのことでした。リフト導入前は、3~4日に1回だったトイレ誘導が、1日2~3回に増加したとのことですので、格段な変化といえます。

さらにトイレ誘導の回数増加に伴い、別の変化も表れたと報告されています。それまでトイレ誘導の際、実際にはトイレであまり排泄を行わなかった入居者さまが、かなりの確率7~8割で排泄を行うようになったとのこと。これは想定していなかった変化だと発表されていました。

メーカーによる使い方セミナー

リフト展示 (パシフィックサプライ社)

セーフティーケアを目指して

これまで入居者さまの変化に視点をあてた報告というのは、当事者アンケートくらいしか心当たりがありませんでしたので、今回の報告は本当に考えさせられる内容でした。発表者の高橋氏は、今回、重度認知症の方を対象としたことで、どこまで正しい考察かは悩むと発言されていたのですが、少なくとも私には、未だある「リフトの導入は介助者のことしか考えていない」とする意見に、異議を立てるには十分な内容だと感じています。

 

なお、今回の報告では、「リフト導入において介助者の負担は軽減されたが、腰痛自体の改善は確認出来なかった」という多少残念な内容も含まれていました。これに関しては、深い考察がなかったため、私自身の推察でしかないのですが、恐らくは

 

・腰痛が既に起きている職員がリフトを使用している

・そもそもリフト導入前は、トイレ介助の頻度が少なかった

 

という点が、本報告の結果に繋がったのではないかと考えています。この件も踏まえて、今後、再度お話を聞ける機会が出来ればと考えています。
今後も安全・安心な職場環境、介護職員の腰痛予防対応に向けて、セーフティーケアを拡げていきたいと思います。

体験実習1

体験実習2

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