検索

Close

検索したいキーワードを入力してサイト内検索をする

パシフィックニュース

バウアーファインド社製品「マレオTrain」(足関節サポーター)の加圧が歩行安定性の向上に関して足関節を捻挫した患者へ与える効果

スポーツ

バウアーファインド社製品「マレオTrain」(足関節サポーター)の加圧が歩行安定性の向上に関して足関節を捻挫した患者へ与える効果

バウアーファインド社製品「マレオTrain」(足関節サポーター)の加圧が歩行安定性の向上に関して足関節を捻挫した患者へ与える効果

パシフィックサプライ株式会社
新規事業開発部スポーツ・オリパラ事業開発課 筏 政人

2022-05-02

足関節の捻挫をした際に痛みを抑えるためや、再発を防止するため、治療をするためなど様々な目的で足関節サポーターや装具、テーピングを使用する方は多くいることでしょう。
その中には足関節サポーター、装具、テーピングを使用すると、足関節の安定性がそれらに依存してしまうため”サポーター離れ”ができなくなると不安を抱えている方もいることでしょう。
これに対する一つの答えとして、バウアーファインド社足関節サポーター「マレオTrain」が足関節を捻挫した患者へ与える効果に関するChemnitz Technical Universityによる研究結果がありますので抄訳をお届けいたします。

研究目的
この研究の目的は、急性片側受傷後の早期治癒期間中の患者における、足関節の安定性に対する、弾性加圧サポーター、マレオTrainの効果を調査することである。
本研究は2つの主要な側面を重視した。1つ目は、受傷した足関節の安定性に対するサポーターの即時的効果を検証しようと試みたことである。2つ目は、14日間のサポーター装着後、この装着期間の後の計測時にサポーターを装着していなくとも、足関節のサポーターが効果を示すかを検証した。これは、サポーターを装着していない対照群との比較において、効果の持続やサポーターによる治癒の促進を示唆するものであろう。
 
研究デザイン
ランダム化、対照実験室研究(エビデンスレベル 1b)


〈方法〉
被験者 n = 64人の受傷被験者 n = 20人の健康被験者
n = 32人のサポーター群
 = BG = 介入群
n = 32人のサポーターなし群
= KG = 対照群
年齢: 33.0 ± 10.8歳
身長: 173.8 ± 11.8 cm
体重: 78.7 ± 16.4 kg
性別: 男性 : 女性 33 : 31 
受傷側: 右 : 左 35 : 29
身長: 173.4 ± 9.2 cm
体重: 71.8 ± 11.6 kg
性別: 男性 : 女性 8 :  12 
使用サポーター マレオTrain® (Bauerfeind AG)  
計測システムとテスト方法
  • 圧力中心(CoP)単脚立位(20秒間のアーク長変位を計測)
  • 歩行パラメータ:ステップ長、床反力垂直成分
  • 疼痛スケールと不安定性スケール (10点法、視覚的アナログスケール)
 
調査期間
第1次計測:即時的効果、受傷後 CW 5 ( = NU1 ; フォローアップ検査 1) 2週間
n = 32人 BG群は、サポーター装着
n = 32人 KG群は、サポーター装着なし

第2次計測:受傷後 CW 7 ( = NU2 ; フォローアップ検査 2) 2週間
n = 32人 BG群 ・ n  = 32人 KG群 共にサポーター装着なし
 
生物統計
サンプル依存 t-テスト
α ≦ 0.05 ; 検定力 : 80パーセント
 
算入基準 片側の新規回外受傷の初期診断 (距腿関節捻挫、外側側副靭帯域)
受傷後から3日以内での診断
受傷後2~3週以降も症状のあるもの
 
除外基準 骨剥離、骨折
歩行やバランスに支障をきたすその他の受傷や症状
年齢: <18歳または> 60歳
1年以内の足関節受傷の履歴
一般的な慢性の足関節不安定性
 

〈結果〉
圧力中心(CoP);バランスのバイオメカニクス計測:
受傷後5週間において、患者は単脚立位による準静止バランス能力での顕著な違いを示した。
平均では、健側でのCoP長は、77.5 ± 30.0mmであり、サポーターなしの受傷側よりも短かった。
(t-test : p=0.001 表1/図1を参照のこと)
 
マレオTrainを装着することにより、バランス能力(立位での関節安定性)(p=0.002)を顕著に向上させることができ、ほぼ健側と同等レベルにすることができる。
 
健康群と比較すると、年齢を合わせた比較群では、CoPのデータは増加した。
これは患者の両側のバランスが障害されている可能性を示唆するものであろう(表1を参照のこと)。

 
NU1でのCoP長 サポーターあり・なし

図1:サポーター装着時のバランス向上(即時効果 CW5)
NU1(n=64)計測時のデータ分布と分散*p < 0.05 ;出典:[8] 
CoP長
健側 468.6 ± 115.6 mm
受傷側 546.1 ± 145.6 mm
受傷側(サポーターあり) 475.2 ± 108.1 mm
健康群の比較群(n = 20)  433.0 ± 136.2 mm
 
表1:CoP計測の MV ± SD、単脚立位、NU1のみ (n=64)、サポーターありとなしで20秒間。
それぞれの比較のため、健康比較群(n=20)からのデータも提供;出典:[8] 
 
CoP長動作テスト中の、サポーター装着の効果としての、安定性や疼痛の主観的知覚
受傷側のみ単脚で立位をとった際に、37%の患者は疼痛を訴え、57%は足関節に不安定性を感じた。
サポーターを装着することにより、疼痛を訴えたのは33%、足関節に不安定を感じたのは51%まで、と疼痛と不安定の軽減が報告された。また、すべての患者の86%がサポーターありでのバランス感覚が、サポーターなしと比較して「少しよい」または「ずっとよい」として評価している。(図2)
 
バランス感覚

図2:バランス感覚:NU1計測時のCoP単脚立位時の患者でのパーセンテージ[%]
;サポーターありとなしの比較; 出典:[8] 

マレオTrainは立位の安定性とバランス感覚を向上させる

歩行分析;ステップ長
サポーターなしでの歩行の際には(NU1時)、健側のステップ長は、受傷側のものと比較して著しく短かった(p=0.001)。
マレオTrainを装着することによって、健側のステップ長は大きく増加した(p=0.001)。これによって、両側のステップ長は同様の長さとなり、健康群の被験者のケースとも同様となった。(図3・表2)
 
NU2においては、両群で受傷側と健足の違いがないことが観察された(それぞれt-test : p=0.479とp=0.672が対応)。歩行の非対称性は、なかった。対照群においてもリズミカルな歩行が獲得されているため、正常歩行におけるCW7以降のマレオTrainの長期装着は、歩行の対称性という点においては、必要がないと考えられる。
 
NU1およびNU2でのステップ長

図3:NU1、NU2のステップ長データ位置と分布;
NU1(受傷後CW5);サポーターありなし64人
NU2(受傷後CW7);BG = サポーター群患者
 = 計測時サポーターなし(n = 32)
KG = 対照群 = 計測時サポーターなし(n = 32); 出典:[8] 

 
 
単位:cm
NU1 n=64
 
なし   あり
NU2
 
BG(n=32) KG(n=32)
受傷群
MW±SD
61.0±7.7  61.0±7.3 64.3±5.6  64.8±5.6
健康群
MW±SD
57.7±6.1  61.1±8.3 62.5±7.5  62.8±8.8
表2: NU1(サポーターあり・なし)NU2(両群サポーターなし)でのステップ長;出典:[8]
 
歩行分析動作テスト中の、サポーター装着の効果としての、安定性や疼痛の主観的知覚
27%の患者は、サポーターなしと比較して、サポーターありでの歩行は、主観的に「ずっとよい」と評価した。また40%は「少しよい」、32%は「変化なし」と評価した。約3分の2の患者が、歩行中のマレオ Trainの装着に利点があると感じた(図なし)。
15人の患者は、サポーターなしで歩行すると疼痛を覚えた。マレオTrainありでは、この症状は6人の患者にまで減少し、また疼痛は60%も減少した。同様に、歩行中にサポーターを装着することにより、主観的な不安定性を感じる患者は13人から4人に減少した。これは70%の改善にあたる。(図4)


図4:NU1(受傷後CW5)で歩行中に疼痛や不安定性を感じた患者の数
(サポーターなしとありの比較);出典:[8]

マレオTrain装着:疼痛減少、安定性向上

歩行分析;床反力
受傷後第5週(NU1)において、患者はサポーターなしでは、正常歩行中に受傷側にかける荷重が著しく少なかった。健側と比較しても荷重応答中(床反力ピーク1)、および推進中(床反力ピーク2)の両荷重移行時でも同様の結果となった(それぞれt-test : p=0.009とp=0.001が対応)。マレオTrainの装着により、歩行中の荷重移行時に、より多くの荷重をかけることができるようになった。ピーク1でもサポーター装着時には健側と受傷側に掛かる荷重に違いはなかった(表3)
 
時間については、健側と受傷側で、ピーク1の発生に違いはなかった。またサポーター装着による影響もなかった。しかしながら、サポーターなしでの受傷側の推進時(ピーク2)は、健側と比較して歩行周期の中で極めて早期に起こった(t-test : p=0.002)。
マレオTrain装着時には健側と受傷側の推進時(ピーク2)発生に違いは起きなかった。
サポーター装着時には受傷側の推進は、顕著に遅い時期に起こる(t-test : p=0.010)。
受傷後第7週(NU2)においては、両群において歩行中の健側と受傷側の荷重の違いは観察されなかった(それぞれBG : ピーク1 : p=0.624、ピーク2:p=0.034、KG : ピーク1 : p=0.559、ピーク2:p=0.819)。(図5)
 
歩行中の床反力垂直成分

図5: 歩行中の床反力垂直成分の一般的なカーブ出典:[8] 

    NU1
サポーター
なし
NU2
​サポーター
あり
  n 32 32
ピーク1[-fach KG] 健側
1,065
±0.067
[814N]
1,070
±0.070
[813N]
受傷側
1,051
±0.063
[804N]
1,0667
±0.066
[810N]
ピーク1時間[%GZ] 健側 17.2±3.6 17.3±3.6
受傷側 17.3±3.3 17.8±3.5
ピーク2[N] 健側
1,110
±0.069
[853N]
1,125
±0.064
[854N]
受傷側
1,080
±0.071
[838N]
1,108
±0.081
[840N]
ピーク2時間[%GZ] 健側 47.4±6.1 47.4±6.1
受傷側 44.6±6.2 46.4±5.9
表3: 被験者自身が選択した速度で歩行した際の、荷重応答時(ピーク1)と推進時(ピーク2)床反力垂直成分の範囲;値は体重によって正規化し、[N]の絶対値を表示。また歩行周期中の発生時を特定; 出典:[8] 

マレオTrainは歩行を正常化

考察
最初の研究により、回外受傷後の足関節サポーターによる、疼痛軽減と安定化効果を示すことができた。ここでは、弾性サポーターが安静時にも、夜間でも、また運動中にも、顕著に疼痛を軽減し、このような受傷後に患者の関節可動域を向上させることがわかった。[5]
それに加え、足関節サポーター(テーピングも同様)は、裸足でのジャンプと比較して、距骨下関節の外がえし可動域を低下させることにより、さらにジャンプ後の着地において底屈を抑制することによって、足関節を安定させる。[6]
またこの研究においては、バランスの向上や歩行中の足関節に対する荷重など、運動中における足関節のサポートによる安定化効果も観察することができた。
患者は、サポートの効果による疼痛の相対的な低下や、安定の感覚を知覚することができたと報告した。
 
以前のBlandfortらの研究においては、足関節サポーターのみ用いた、距腿関節外側靭帯の完全断裂の治療が報告され、治癒の結果、靭帯は安定を得ることができた。平均では、ギプスキャストによる固定と比較して、2週間早く、労働やエクササイズに復帰する能力を獲得することができた。[7]
 
これは、古典的な固定と比較して、早期の機能的治療法により、治癒過程を促進することができるということを示唆する。
この治癒加速の可能性は、サポーターを用いない早期機能的治療とサポーターを用いた早期機能的治療の比較として、これまで示されることがなかった。それがこの研究により検証されたのである。
良い意味での注意点は、2週間の長期にわたる足関節サポーターの装着は、患者に計測可能な負の効果をもたらすことはないという点であり、これは指摘するに値することであろう。さらに足関節の腫脹が生じなくなったと報告した患者の数は、サポーターを装着していない対照群(41.9%)と比較して、2週間サポーターを装着した群(66.6%)の方が著しく高い。
 
 
まとめ
機能的テストにより、回外受傷の5週間後において、マレオTrainが、即時的に患者のバランス能力を改善し、歩行中の重要なパラメータを改善することが示された。
 
テストと並行して実施された、サポーターなしに比べ、サポーターありの方が患者がより安全であると感じ、足関節の安定性が増し、疼痛が減少したという報告により、サポーターが示した臨床的な効果は補強された。
 
しかしながら、サポーターの装着による治癒過程の促進や、サポーターの装着をしていない場合にもその効果が継続することに関しては、受傷後の治癒過程におけるこの研究で取り上げたパラメータや、この研究のデザインだけでは、示すことはできなかった。
 
研究に参加した患者の81%が、2週間の装着後にサポーターに「満足した」あるいは「非常に満足した」と回答した。
この研究は最終報告(出典:[8])をもとにした、厳選された研究結果である。

参考文献

[5] O´Hara, J.,et al.; “Controlled trial of an ankle support (MalleoTrain) in acute ankle injuries” Br J Sp Med, 26 (3,), 139-142; 1992
[6] Kuni, B., et al.; “Effect of kinesiotaping, non-elastic taping and bracing on segmental foot kinematics during drop landing in healthy subjects and subjects with chronic ankle instability Physiotherapy; Volume 102, Issue 3, Pages 287–293; (2016)
[7] R. Blandfort, H. Hess, F. Lippay; “The malleotrain bandage in a clinical field trial” Sportverletz Sportschaden 1991; 5(1): 42-44; DOI: 10.1055/s-2007-993562
[8] L. Niklaus, A. Kilper, L. Schütz, T. Milani Akute und anhaltende Wirkung der Bauerfeind Bandage „MalleoTrain“ auf Gang, Gleichgewicht, Feinkoordination und subjektives Empfinden von Patienten mit frischen Sprunggelenkdistorsionen,Ergebnisbericht der klinischen/experimentellen Studie; Human Locomotion Department, Chemnitz Technical University & Chemnitz Hospital, Apr 2

製品紹介

マレオTrain
高さの違う外側と内側のくるぶしにあわせて配置されたシリコーンパッドが装着時の圧力を均等化し、足関節を安定させます。さらにコンプレッションによるアーチサポートも行います。
 
カラー チタン・黒
希望小売価格9,800円(税込10,780円)
 
詳細な製品情報はこちら>>

BAUERFEIND WEBサイト

製品詳細や販売店情報などはこちら>>

BAUERFEIND FLAGSHIP TOKYO

高品質な製品とサービス・ここでしか得られない独自体験を提供することで、すべてのお客様の健康とスポーツライフを支え続けるために、旗艦店「BAUERFEIND FLAGSHIP TOKYO」を東京都千代田区神田にオープンし、おかげさまでもうすぐ1年を迎えます。
ドイツバウアーファインド社のトレーナーから直接教育を受けたスタッフが、身体状況の相談・的確な製品選択・正確なフィッティングを行うだけでなく、様々な情報提供やお客様同士の交流の場を提供いたします。
バウアーファインド旗艦店はこちら>>

関連情報