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パシフィックニュース

V-trakで広がる可能性 症例報告

車椅子/姿勢保持

V-trakで広がる可能性  症例報告

V-trakで広がる可能性 症例報告

養和病院 理学療法士 石丸 知、土中 伸樹

2012-10-01

V-trakとの出会い

養和病院は鳥取県米子市にある、290床の病院で精神科を中心としています。平成17年から回復期病棟を開設。回復期病棟34床に対してリハビリスタッフは25名配属しています。

当院は、テクノエイドを構え、ティルトリクライニング型車いす、モジュラー型車いす、背・座クッションを数多く保有し、充実したシーティングを目指しています。

日々の業務では「あ~ここを支えられたら楽に座れるだろうな。」と思いながら患者さまの体に手を当て、頭を悩ませていました。そんな時に、パシフィックサプライ社の杉本氏からV-trakの紹介を受けました。臨床現場の問題解決の糸口を見出すべく、早速、パシフィックサプライ社主催のV-trak講習会に参加しました。
今回、褥瘡に対して効果的であった症例を紹介し、臨床現場におけるV-trakの可能性を報告したいと思います。

臨床現場の問題

入院している高齢者の多くは、必ずといって良いほど、円背・側弯変形、可動域制限、疼痛、褥瘡など様々な問題を抱えています。座位保持機能が低下している高齢者に対して、支持基底面となる座シートと体幹を保持するバックサポートが協調して働くように調整する必要があります。しかし、臨床現場では物品にも限りがあり、満足な調整が出来ていないのが現状でした。

V-trakで褥瘡治療 2.症例紹介

第12胸椎圧迫骨折、第6~8肋骨骨折、右殿部感染性粉瘤。右坐骨部に褥瘡様の創部あり。病棟内の移動は車いす両下肢駆動。日中、車いす上での生活時間が長く傷が改善しない。

症例

2.V-trak処方

  1. 座圧測定
    座クッションはロホ・クァドロセレクト使用。純正バックサポート(以下、純正)とV-trakで座圧を測定。測定機器は地元企業の渡部建築の協力により圧分散測定装置FSAを使用。純正では右坐骨部に100mmHg以上の圧が確認できました。
    一方、V-trakでは、圧が集中することなく70mmHg以下に抑えることができました(図1)。
     
  2. rysis姿勢評価
    座圧測定と同様にバックサポートを変え、座位姿勢計測用フリーソフトウェアrysisにて座位姿勢評価。
    ≪前額面≫
    純正では骨盤、腹部、頚部が大きく右に崩れる。V-trakでは右への傾斜が減少。
    ≪矢状面≫
    純正では骨盤が起きて脊柱が伸展している。V-trakでは、骨盤後傾し全体的に脊柱円背傾向。

図1 座圧測定結果

使用前と使用後

計測結果

3.姿勢と座圧の解釈

純正では、骨盤が起き脊柱が伸展しているため矢状面の姿勢だけを評価すると純正の方が適合しているかと思われます。しかし、前額面では右に崩れ、座圧も右坐骨部に集中する結果となっています。

V-trakでは、変形した脊柱に対してコントゥアー調整が実現でき、上半身の最適な姿勢を保持することが出来たと考えます。そのため前額面上での姿勢の崩れが少なく、座圧の集中が防げました。適合していないバックサポートでは、無理な姿勢を強いられ、局所に負担が集中し、ズレや圧、更には筋緊張の増強が懸念されます。

4.V-trak処方後の経過

処方後、1ヵ月程度でポケットが消失し褥瘡改善。姿勢保持能力も向上し、純正バックサポートに変更しました。

経過

V-trakの可能性

バックサポートは、重力との関係で個々にバランスを取って姿勢を保つ体幹との適合が重要で、厳密に調整しなければいけません。少ない物品で対応する臨床現場において様々な姿勢に対応できるV-trakを活用する場面は多く、今後、治療用装具としても姿勢保持・疼痛・褥瘡などの様々な問題に対処できる可能性を感じます。

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