パシフィックニュース
医療法人 慧明会 貞松病院
病院・施設紹介
〒856-0831
長崎県大村市東本町537番地
TEL 0951-54-1161
FAX 0951-54-1161
2010-07-01
長崎県の空の玄関口・長崎空港を抱え、県央=県中央部の中心に当たるのが大村市です。人口9万人の落ち着いた静かな街で、貞松病院はその大村市の中心部、JR大村駅からも近いところに位置します。整形外科医院として出発した貞松病院は「地域社会への貢献」を大切にしています。
県央地域はもともと長崎医療センターを軸に地域連携が盛んです。医療法人の理事長でもある貞松俊弘院長はリハビリテーションの充実が不可欠、と2004年に総合リハビリテーションA施設の認可を受け、回復期病棟を造りました。その結果、他の病院からの患者も含め、急性期から回復期さらに維持期まで一貫してリハビリテーションを提供できる体制を確立しました。患者一人ひとりの症状に合わせたリハビリが求められる中、装具療法に積極的に取り組んで成果を上げ、スタッフはたしかな手ごたえを感じています。
病院の理念
- 患者様本位の医療
- 安全と信頼の医療
- 地域に貢献する医療
病院概要
理事長・院長 貞松 俊弘
病 床 数:76床(一般病室24室・個室10室)
診療科目:整形外科・形成外科・内科・リウマチ科・リハビリテーション科
職 員: 常勤医師8 看護師62 薬剤師4 管理栄養士2 放射線技師5
理学療法士22 作業療法士11 言語聴覚士3 検査技師1 トレーナー2
助手17 事務10 メディカル・ソーシャル・ワーカー1 事務長1
貞松病院 外観
早期歩行
木の温もりを感じられるように造られた貞松病院のリハビリセンター。手すりの付いた歩行訓練器具などにまじって、部分免荷装置「ニューアシスト」が目を引きます。身体を吊るすようにして体重の負担を軽くし、立つこと歩くことの難しい人でも早い時期から起立・歩行練習ができるようにする器具です。4m×4mの範囲で動くことができます。「体重がかかっていてはできない動きがこの機械ででき、実際の『歩き』に近い動きができるのが機能回復にいいんです」と理学療法士の高木治雄さん。(回復期リハビリテーション病棟リハビリ主任)
装具療法の意義
高木理学療法士は「歩くことには体重移動などさまざまな動きが含まれている。歩くことでほかの機能も良くなるんです」と言い、長下肢装具(ゲイトソリューション=GS)を使ったリハビリに意義を見出しています。せっかく歩行訓練しても足首の動きがないとひざが突っ張りお尻が引けてきちんと歩けません。長下肢装具があると油圧の働きで足首の自然な動きが得られ、本来の「歩き」に近い動きができます。このことが股関節の筋肉にも良い影響を与えるのです。
「良い方の足の筋肉をつけ、悪い方の足の変形がないようにしないと、せっかく脳やまひの回復を図ってもいい『歩き』につながりません」。
さらに、障害の軽いほど足に着ける装具は短くてよいわけですが、あえて長い装具を着けてもらいトレーニングすることもあります。「本来の歩き」の動きになじんでもらうためです。
以前、維持期の患者を多く見てきた高木理学療法士は、「この症状でこの状態はもったいない。もう少し別のリハビリをしていたらどうだったろう」と思わされるケースも少なくなかったといいます。足首を変形させないこと、股関節の機能をしっかりさせることが歩行の大事なポイントであると、長下肢装具の効果を語られています。
勉強に来た学生からは「どうしてここまで?」と、教科書で類型的に習った以上の回復が見られることに、半ば驚きながら質問を受けるそうです。
一方で高木理学療法士は、「だれでも均一に質の高いリハビリができ、さらに、歩行補助具としてだけでなく、運動療法の道具としての装具の意義を重要視している」と熱く語ってくれました。
高木理学療法士
長下肢装具(ゲイトソリューション=GS)
医療の地域連携
貞松病院のある大村市など長崎県中央部(県央)はもともと医療の「地域連携」は優れていました。大村市医師会が中心になって定期的に病院・医院同士が話し合うシステムが確立しています。貞松病院は初めは76床全部が急性期向けでしたが、この地域で初めて回復期病棟を設けました。県央の三次救急の拠点である長崎医療センターからの転院患者を受け入れています。
こうした地域の連携のもと、患者がいた元の病院と患者が次に行く施設のスタッフが月に一度、貞松病院を訪れ、一人の患者について一貫した目を向けるよう努めています。
貞松俊弘院長(理事長)は今後の構想として訪問リハビリステーションを造れないかと展望を語ってくれました。
スポーツリハビリの取組み
貞松病院は、スポーツ医学に力を入れているのも大きな特徴です。スポーツ選手に外傷や障害が起きた時に、とかく医師は疾病の治療に専念しがちでスポーツに復帰するまでサポートする姿勢が欠けていたのではないか、という貞松院長の思いがありました。「選手にすれば復帰しなければ意味がないのに、これまでの医療は治療して『あとはしばらく休んで』で終わっていました。復帰できるまで選手は悶々として精神的につらい思いをすることが多かった」と貞松院長。
当病院では、治療した選手のいる学校などにリハビリスタッフが行き、練習の仕方を見るというふうにチームごとのサポートもしています。ボート、野球、ラグビー、バレーボール……復帰を目指す選手のためになりますし、健全な選手も、けが予防、身体のケアの知識を得ることができます。今では監督・指導者から「助かっています」と感謝の言葉をかけられるそうです。
サッカーJFLのV・ファーレン長崎にもメディカルチェックを受けている選手がいます。
トレーニング室は筋力・体力アップのために患者が使うほか地域への開放で高校生の運動部員やスポーツ選手にも使ってもらっています。取材の日には大村工業高校ソフトボール部員35人がこの部屋をいっぱいに使い反復跳び、自転車こぎなどトレーニングに汗を流し、時折「きつい!」などの声が上がっていました。
リハビリ風景
トレーニング風景
関連情報
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