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パシフィックニュース

地域包括ケアを考える講演会・シンポジウム報告

環境整備

リハビリテーション

地域包括ケアを考える講演会・シンポジウム報告

~地域住民主体のまちづくり~

上田 美里 (主任介護支援専門員・postgresグループ暮らしいきいき館)

2016-06-15

介護現場を周知するケアマネジャーが考える『地域包括ケアシステム』とは何でしょう。postgresグループ大東本社(大阪府大東市)に「暮しいきいき館」(居宅介護支援事業所)があります。今回の講演会・シンポジウムの実行委員でもある上田(主任介護支援専門員)の報告は、未来の包括ケアへの期待に溢れています。

はじめに

昨年に引き続き、2016年5月28日(土)に本社のある大阪府大東市の大東総合文化センターサーティーホールを会場として『第2回地域包括ケアを考える講演会・シンポジウム』を開催いたしました。

 

昨年は医療・介護の専門職だけではなく、一般市民の方々にも『“地域包括ケアシステム”を一緒に考えていきしょう!』をメッセージにして、


「脳血管障害について」
「国の施策と取り組み」
「大東市の介護保険制度の現状」


などを講師・シンポジストにお話を頂きました。参加して頂いた多くの一般市民の皆様にも、自分たちの地域で何かをしなければならないという関心と意識を持っていただくシンポジウムとなりました。

 

第2回目を開催するにあたり、昨年は地域包括ケアを考える4本柱の1つである公助の話が中心でしたので、今年は残りの3本柱となる自助・共助・互助の話を聞いて頂きたいという思いで企画いたしました。
 

第2回地域包括ケアを考える講演会・シンポジウム

基調講演

今年の基調講演には富山県南砺市(なんとし)から、南砺市政策参与、地域包括課顧問の南眞司先生をお招きいたしました。

テーマは『地域包括ケアを充実し「自助」「互助」の輪を広げよう、地域の住民こそが力を発揮できる』。


南先生は前南砺市民病院長で、現在も内科・リハビリ課医師としても活躍されています。8つの町が合併した広大な南砺市で地域包括ケアシステムの構築へ向けての取り組みについて事例を含めた貴重なお話を伺うことができました。


他職種連携や高齢者の在宅生活への思い、地域住民を巻き込んでの町づくりなど多くの学びがありました。特に印象に残ったのは、認知症の方は「困った人」ではない、「困っている人」ですという言葉でした。認知症への理解や社会参加が進むまちづくりが必要だと改めて痛感いたしました。

基調講演

南眞司先生

特別講演

特別講演は今年度のテーマである『健康寿命を延ばす町、大東』ということから、健康=食と捉え、タニタ食堂でおなじみのタニタヘルスリンクから管理栄養士の先生をお招きしました。


タニタ食堂に学ぶ500Kcalのまんぷく定食のコツ
タニタが考える健康づくりのヒント
ヘルシーレシピのコツ


 

などを中心にお話をいただきました。お話を聞いていると、健康管理は日々の食事であり、毎日漫然と誘惑に負けてはいけないと実感しました。

 

シンポジウム

今回のシンポジウムを盛り上げていただいたのは、

地域医療拠点の活動実績を北河内藤井病院院長・福井寛也先生
大東市高齢支援課、課長補佐・逢坂伸子先生
株式会社アカカベ代表取締役・皆川友範先生

自助・互助を中心としたお話を頂けることとなりました。


北河内藤井病院院長・福井寛也先生
『食べられなくなったらどうしますか』という投げかけがあり、その時のため今何をするべきなのかを発信いただきました。

大東市高齢支援課、課長補佐・逢坂伸子先生
「地域包括ケアシステムに向けて大東市の高齢者施策の方向性」として大東市での新総合事業。認知症対策、大東市の互助といえば、代名詞にもなっている大東元気でまっせ体操や生活サポート事業について詳しくお話頂きました。


株式会社アカカベ代表取締役社長・皆川友範先生
「いつも地域とともに」と地域密着型の店舗展開を通じての医療連携や配食などの介護連携、介護予防を担うフィットネスクラブ、地域イベントへの参加など民間事業だからことできる取り組みの報告を頂きました。


 

終盤には、基調講演を頂いた南先生から総括をいただき、大東市には多くの資源があることに賞賛をいただき、地域にあった取り組みに向けて今後も尽力していくことを共有できました。

 

北河内藤井病院院長・福井寛也先生

大東市高齢支援課、課長補佐・逢坂伸子先生

株式会社アカカベ代表取締役社長・皆川友範先生

終りに

第2回の地域包括ケアを考える講演会・シンポジウムは、主要沿線でのダイヤの大幅な乱れ、悪天候、時間の変更などのトラブルが相次いだにもかかわらず、多くのお客様にご来場をいただきました。


昨年ほどの動員とはなりませんでしたが、内容は充実しており、参加者からは「こんな良い話、もっと沢山の人に聞いてもらいたかった」と叱咤激励のお言葉まで頂戴しました。

 

第2回目の開催を通して「自分たちから変わっていく、できることをしていく」そんな気持ちが参加者の中に芽生えた講演会・シンポジウムであったと思います。


また大東市は2015年11月に大阪府初となる「大東市こころふれあう手話言語条例」が制定されました。お客様のご希望もありましたが、大東市に所在する企業として今回の講演・シンポジウムすべてのプログラムに手話通訳を配置させていただいたことを記させていただきます。

 

来年度からは猶予期間が終了し、介護保険の一部が新総合事業となります。全国的に少しずつ地域包括ケアシステムが進み出しています。今後も『地域で暮らすためには』をpostgresグループは発信していきます。
 

地域包括ケアシステムを考える

私達の将来のために

手話通訳配置

当日のアンケートより

地域住民の意識に働きかけ、持っている力を引き出していただくことが大切だとわかりました。居場所や役割は誰にも必要なものだと再確認しました。医師の影響力はやはり大きいなと思います。地域社会に目を向ける医師がりかいないかが地域差として表れるのかもしれないですね

 

・このシンポジウムはじめ地域企業の方がこうした問題に取り組んでおられることはたいへん有難いです。意外と市民には知られていないので、大東市の施策も含めPRする必要があると思います。

 

・福井先生の講話内容には現実的な切実なことに触れるなど興味を持って聞かせてもらいました。中では延命治療やら在宅看護の件ほか色々な話参考になりました。ありがとうございました。

 

・南砺市はたいへんすばらしい取り組みをされていますね。
 カロリーを考えて食事をふるのはなかなか難しいですね。しかし頑張らなくてはね。

 

・今回の講演会・シンポジウムで「地域包括ケア」という言葉を知りました。医療・介護・在宅医療について今まで人事で、問題や課題についても病院や行政が何とかしてくれるだろうと感じていました。しかし住民も一緒になってそれに取り組んでいくということに強く共感しました

 

・思った以上の中身に感動しました。最後の社長の弁で「今日こられなかった人に伝えたい」という言葉に同感。

 

・手話通訳がなければ話の内容もわからずじまいで、参加しなかったと思います。メインは「タニタ」の講演ですのでこられなかったなかまにも伝え(FAX)ます。通訳3人もつけていただいてありがとうございました

 

・とても良い内容だったのに参加者の人数が少ないことがとても残念に思いました。

 

・とれも参考になるお話でした。行政・民間双方でさまざまな取り組みがされていることに正直驚きました。

 

・もっと広報し、たくさんの人に聞いてほしい

この度の講演・シンポジウムに際し、ご来場いただいた皆様、ご協力いただいた関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。

 

公助・自助・共助・互助とは

大東市サーティホール

postgresグループ代表 川村 慶