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「俺」的Q.O.L(クオリティ・オブ・ライフ)with 『RHEO KNEE XC』
義肢
リハビリテーション
RHEO KNEE(リオニー) XCと日々の生活
Hibou (イブー) 代表 西村 州平
2018-01-15
RHEO KNEE(リオニー) XCと日々の生活
こんにちは!
鹿児島県で、中3を筆頭に、小6・小3の男の子3人と妻の5人で、毎日ドタバタと忙しい日々を送っています。
義足生活になって15年経ちました。なんだかあっという間です。
元々はバイク屋に務めていて、「そろそろ自分の店を持とうかなぁ」という頃に交通事故に遭ってしまい、切断に至りました。
当時、長男が生まれる直前であり、僕も父親になる直前でした。
当初は全治3ヶ月の骨折という診断だったのですが、事故後半年経ったあたりの何度目かの手術の後、感染症や様々な要因で切断することになりました。
幸いというかラッキーだったのは、切断を自分で決断できたことです。
入院中に長男が生まれたので、なんとしても家に帰らなければという状態だったということが大きかったですね。
切断後、“これで退院して、社会復帰して、子育てに参加して…”という計画が簡単にはいかず、結局自宅に帰ったのは長男が1歳になった頃でした。
傷が治らず、義足はあったのですが、履くことすらできない状態で。
長男が「知らないおじさんが急に来た!」みたいな感じで妻に隠れて泣いたのは、甘酸っぱい思い出です。
訓練を開始!義足が当たり前にある生活へ
リハビリ室、家の中、外で必死に練習しました。
始めた頃は痛かったのですが、必死さが勝っていたのか、考えついたリハビリ案が良かったのか、杖なしで歩けるようになるのは早かった気がします。
リハビリ案というのは、近所のラーメン屋さんまで歩いて行って食べて帰ってくるという「食べるために歩く」というものです。
階段の訓練は、まるで断崖絶壁に立たされているかのようで恐ろしく、とても荷重などかけられませんでした。
10年ほど前のことですが、同じ膝継手を使っていたユーザー同士の集まりに参加する機会がありました。
そこで初めて、大腿義足ユーザー同士で日常生活での使い方やコツなど情報交換をしました。
普段、なかなか同じ義足ユーザーと会話するなんてできないので、貴重な体験です。
そこで、当時まだ上手くできなかった「階段下り」を教えてもらいました。
頭では理解していたけど「聞く」と「見る」とでは大違い。僕でも義足に荷重をかけて階段を降りることができるようになりました!!
気づけば次男、三男と家族が増えて【義足はあって当たり前】になりました。
「歩けるようになった」「足を交互に入れ替えて、階段を降りることができるようになった」などの小さな積み重ねが自信につながって、履き始めた頃は単なる道具だった義足が、【頼れる相棒】に変わっていきました。
更に、いろいろなことを試しました。
■体重計を2つ用意して、両足に均等に荷重をかける
■ほぼ義足側に体重をかける
■歩くとき、身体ができる限り揺れないように歩く
などなど、スムーズに歩いている自分を強くイメージして練習しました。
RHEO KNEEの「自然な膝の振り出し」に驚き
きっかけは、いつもお世話になっている(有)恵義肢製作所の山下さんから「RHEO KNEE(リオニー)という膝継手試せるけど、履いてみない?」と連絡をもらったことです。
「リオニー?聞いたことないけど、試せるなら試してみるか」という、非常に軽い気持ちで試着させてもらうことにしました。
実は、リオニーを知る以前、コンピュータ内蔵の高性能膝継手を使っていた経験があって、その便利さや特有の機能などを、ある程度知っているつもりでした。
その膝継手ももちろん素晴らしかったのですが、細かいトラブルや不具合、充電することの面倒さなどもあり、正直「今使っているものでも十分」という思いがありました。
いい意味で裏切られるのですけどね (笑)。
試着して、製作所付近を歩いてみました。
歩き始めてすぐ感じたのは、膝の振り出しがとても自然だということでした。
僕が知っていた高性能膝継手も、膝の振り出しをサポートする機能がありましたが、少し強すぎて「ヒョコッ」と足が飛び出る感じでした。
調整はいろいろとやってもらったのですが、そこだけはどうしても変わらずで。
一方、RHEO KNEEは、振り出しはちゃんとやってくれるのですが、膝を振りだして伸びきる直前で「フワッ」と、ブレーキというかショックを和らげているようで、それが自分の健側(障害のない側)とほぼ変わらない動きでした。
『気持ちいい!!』これが歩き始めてすぐの感想でした。
その後、緩いスロープ、階段と近所を歩き回って感触を味わいました。
歩くスピードにもちろん追従してくれるし、何より早歩きした時などに膝が伸びきる直前のブレーキがとても気持ちいいのですよ!
「こんな膝継手もあるのか!!凄いな!!」を連発してしまいました。
学会での出会い
ある日、パシフィックサプライ社から日本義肢装具士学会でのモデル依頼が入り「僕で宜しければ喜んで!」という気軽な気持ちで引き受けました。
依頼されたからではなく、むしろ積極的に参加させていただきました。
参加してみると、運営側も参加者側も本気度が違いました。皆さんからの質問が凄いし、目が真剣だし。
会場の企業展示ブースで、同じく義肢モデルを担当されたユーザーさんとも意見交換ができて、とても刺激的でした。
その後、インド・香港など、様々な場所でデモをさせてもらう機会を得ました。
場所が変わっても、同じユーザー同士で通じるところがあることを知ったり、お互いできることを自慢し合ったり、貴重な体験をさせていただきました。
フィールドテストを繰り返して
義足を担当していただいている義肢装具士の方から(完成用部品)認可取得のためのフィールドテストの依頼が入り、普段の生活でもRHEO KNEEを履くことになりました。
【解説】フィールドテスト
新たな義肢パーツを厚生労働省(完成用部品)認可取得の申請手続きにあたり、義肢製作所と義足ユーザーにフィールドテストが義務付けられている。
~屋外テスト~
野球は、次男が少年野球をやっていることもあって、土・日・祝日はほぼ屋外(グラウンド)です。
夏の暑い日、小雨、普通に雨(笑)など、朝から暗くなるまで球拾いや、ノック・キャッチボール・審判など、立ちっぱなしの動きっぱなしです。
歩数でいえば、多いときで2万歩越えですね…(笑)。
夏は暑いので短パンでした。途中、にわか雨が降ってきたり、朝から小雨が止まなかったりする日でも、野球は滅多なことでは中止になりません。
そんな中で塁審を引き受けると、濡れたままでもその場を離れることはできません。
しかし、RHEO KNEEは生活防水です。
最初はドキドキしましたが、横雨がRHEO KNEEに当たっても全く問題ありませんでした。
これって、精神的に安心感がとても大きかったです。
また、油圧式の膝継手で体験したことですが、真夏の屋外を動き回っていると、膝継手がとても熱くなります。
ひどいときは触ると「アツっ!!」となるほどです。
その点、RHEO KNEEは、内部の構造が油圧式のそれとは全く違うようで、負荷が少ないのか専門的なことはわかりませんが、多少温かくはなりますが熱くなりません。
なぜ熱さが気になるか?というと、以前使っていた膝継手で、夏の暑い日にオイル漏れを経験しているからです。スカスカになってきてない?と歩いていて感じるなと思ったら、オイルが漏れていました。なので、オイル漏れの心配がないという点も安心感が増します。
また、草むらにボールが転がって探す時、雨でぬかるんだグラウンドを歩く時など、足場が悪い所でも安心して動けました。
言い方が適切かどうかはわかりませんが、【気をつけて足を置く】必要がなく、雑に歩いても平気といった感じです。
思い通りに動けることが生活を変えていく
こうやってテストを重ねていくうちに、自分の生活が変わったことに気づきました。
具体的に言いますと、次のようなことです。
・今まで車で行っていた近所のコンビニへ、歩いて行くようになった
・子供たちと公園などへ遊びに行く機会が増えた
・以前は、公園へ行ってもベンチに座って見ていることが多かったが、積極的に遊ぶようになった
(キャッチボール、サッカーのパス練習 ※動画でご覧いただけます)
・公園の外周を歩く(子供たちは走ります)
・一日の歩数がかなり増えた(平均8,000~10,000歩、週末では15,000~20,000歩)
・副次的に体重が減った
などなど、気づけば結構変わっていました。要は、動きやすいのです。
自分の思った通りに動けるってこんなに楽しいのか!!と感じました。
《キャッチボールの練習》左の画像をクリックすると、動画が再生されます。
《サッカーの練習》左の画像をクリックすると画像が再生されます。
《階段を昇る》左の画像をクリックすると画像が再生されます。
~RHEO KNEE XC購入へ~
高性能膝継手は、価格面でいうと決してお手頃とは言えませんが、僕が義足生活になって今が一番活動的になっていることを思うと、価格は全く障壁ではなくなりました。
そして、RHEO KNEEの上位版であるRHEO KNEE XCをついに購入しました。
RHEO KNEEとRHEO KNEE XCの主な機能は変わりません。
追加機能として、
【階段上りモード】…階段を交互に上れるよう、膝継手が次の一歩をサポート
【ランニングモード】…足部の接地時間を検知して、ユーザーが歩行中なのか、ランニング中なのかを検知して
ランニングをサポート
といったものがあり、いずれも大変素晴らしいです。
特に素晴らしい機能が階段上りモードです。通常、余程患側(障害がある側)に筋力がないと、階段を両足交互に上るのは難しいのですが、膝継手が次の一歩をサポートすることで可能になります。
交互に上ることがどれ程凄いことなのかは、健常者の皆さんに説明するのは難しいのですが、ひとことで言うと階段を上る時間が半分で済むということです。
しかも健側がとても楽!!
まだまだ手摺りは必要ですが、これを続けて行くと多分手摺りなしでも上れるようになると思います(これは間違いなしです!)。
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とこれから
クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life、QOL)とは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質
のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを
尺度としてとらえる概念である。
QOLの「幸福」とは、身心の健康、良好な人間関係、やりがいのある仕事、快適な住環境、十分な教育、レクリエーション活動、
レジャーなど様々な観点から計られる。
またQOLには国家の発展、個人の人権・自由が保障されている度合い、居住の快適さとの関連性も指摘される。
したがってクオリティ・オブ・ライフは、個人の収入や財産を基に算出される生活水準(英: standard of living)とは分けて
考えられるべきものである。(引用:Wikipedia)
RHEO KNEEがないと生活できないというわけではありませんが、僕はRHEO KNEEを履いて生活することで、今が一番活動的です!
今後も、子供たちのイベントに参加する機会が沢山ありそうですが、いろいろとやる気にさせてくれるRHEO KNEE XCという頼れる相棒と一緒に楽しもうと思います!
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