パシフィックニュース
平昌オリンピック公式サプライヤー【バウアーファインド】活動レポート②
装具
スポーツ
パシフィックサプライ株式会社
事業開発本部事業推進部 装具事業グループ
バウアーファインド・スポーツ装具係
2018-06-01
1回目の概要報告に続いて、バウアーファインド技術スタッフ目線でのレポートをお届けします。
はじめに~五輪に集う人々と規模の大きさに圧倒~
オリンピックは、噂に聞いていた以上に巨大なスケールで、バウアーファインドの技術者達を圧倒しました。
色とりどりの国旗が掲げられた高層ビルを見上げ、有名なメダリストをはじめ多くの選手とすれ違い、世界中から
集まった多くの協力者とのコミュニケーションを重ね、バウアーファインドの製品力と技術力をもって選手への支援を
続ける日々を送りました。
アットホームな選手村の一員として、誇りをもって
選手村の警備は非常に厳重で、選手と限られた関係者しか立ち入れない特別な場所です。
しかし村内には、親しみやすい心からリラックスできる雰囲気が作られていました。
勝負の場面では最後まで全力で戦うライバル同士も、選手村の中では友達のように笑い合い、冗談を飛ばし、
巨大なダイニングホールで食事を共にし、一緒にトレーニングするのです。
誰も否定的なことは口にせず、皆がお互いを尊敬していて、まるで本当の村や家族のようでした。
バウアーファインドのスタッフもその一員であると感じられる空気が、そこには確かに存在しました。
開村前にすべての準備を整えられたのは、母国の仲間のおかげです
選手村に到着した私たちの最初の任務は、開村前のまだ誰もいない総合病院の一角に我々の仕事場、サービス
ステーションを設営することでした。
がらんと広い部屋に机や棚、パーテーションを設置し、倉庫に大量の製品を積み上げていく。
2つの選手村をレンタカーで行き来して、効率的にサービスを提供できる空間が着々とできあがっていきました。
ドイツ人らしく手早く堅実にDIYを行い、ついに選手が快適に過ごせるソファを備えた待合室までしつらえることが
できました。
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こうやって遠く離れた地でスムーズに仕事がはかどるのは、母国ドイツで製造・配送・事務に携わってくれる多くの
仲間のおかげです。
選手だけじゃない。オリンピック成功に関わる全てのスタッフのために
バウアーファインドのサービスステーションには常に二人の人員が配置され、治療を必要とする方々を受け入れる
準備は万端です。
私たちがサポートするのは、実はオリンピック出場選手だけではありません。
大会役員や運営ボランティア、警官、警備員など、大会に関係するスタッフへの製品処方も大切な仕事です。
私たちは、オリンピックを成功させたいと願う皆のために、選手村の心臓部にスタンバイしていたのです。
人生を賭けたアスリートたちから学んだ『装具技術者にとって大切なこと』
選手たちにとってオリンピックは、自身の選手生活のハイライト。
ひどい外傷を負ったとしても、夢の舞台を前に母国に送り返されたくないのは当然です。
時間とエネルギーのすべてを、オリンピックに出場することに注ぎ込んできたのですから。
あるオーストラリアの選手が、トレーニング中に3本の肋骨を骨折するという不運に見舞われてしまいました。
どうしても競技に出ることを諦められなかった彼女のために、製作材料が不足するなかで、手元に合った既成製品を
もとに即席で「肋骨ストラップ」を設計しました。
しかし、それを着けてもまだ痛みはかなりのものだったと想像できます。
それでもアスリートは「人生に一度でも出たい」と憧れ、ついに手に入れた「オリンピックで競技する」という夢を
断念しきれないのです。
落胆した彼女のために私たちができるのは、悔しさを胸に抱えた母国までの長いフライトの間、患部を安定させる
装具を適合させることだけでした。
他にも、大きなケガをしてしまい、開会式を前に手術のため帰国せざるをえなかった選手もいました。
もちろん、うまく解決策を提供できたこともありました。
さまざまなケースを通じて、私たちは今回のオリンピックで多くのことを学びました。
装具士の専門技術を持つ者として、常識の枠を超えて考えることを決して忘れてはいけないということ。
そして、クリエイティブな精神は、時に何よりも必要で価値があるのだということを。
超一流のアスリートから貴重なフィードバックを得て
夏季オリンピックに比べて小規模で選手の数も少ないため、一人ひとりの選手にじっくり対応できるのが
冬季オリンピックサポートの醍醐味でもあります。
例えば、オーダーメイドの足底装具を提供するまでに、フットプリントの採取、足の採型、グラインダーでの
製品加工、そして試着適合と時間を要しますが、しっかりと関わることで選手はさらに高い納得感を得られるのです。
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多くの方々がこの機にバウアーファインド製品を知り、実際にその品質を体感しました。
超一流のアスリートは競技だけでなく、自分自身の身体のことを知っているという点でも非常に優れています。
自身に起きた症状や装具の装着感について、とても詳細に説明することができるのです。
世界のトップアスリートから感謝やフィードバックがいただける、私たちにとってこれほど素晴らしい体験は
ないでしょう。
「理学療法士として選手たちと仕事がしたいと常日頃強く願っている私にとって、オリンピック競技の場で世界最高の
選手たちにサポートができるということは、本当に特別なことだ」
オリンピックを象徴する多様性とコミュニケーション
2006年のトリノ五輪において、バウアーファインドがオリンピックに与える影響はごく小さなものでした。
当時、私たちの現場はドイツ宿舎の片隅の小部屋で、ドイツ選手のみをケアしていました。
それが今では、選手村の心臓部ともいえる総合病院内に場所を構え、すべての参加国の人々にサービスを提供できる
ようにまで存在感と影響力を増しています。
世界中から独自の文化的背景をもつ多様な選手が集まるのが、オリンピックの最大の魅力です。
アフリカや中南米といったウィンタースポーツのイメージが浮かばない国々から、冬季オリンピックに参加する選手が
いるなんて、思いもしませんでした。
サービスステーションで使う言語は、主に英語です。
英語を話さない選手が来た時には、通訳やジェスチャーを用いてコミュニケーションをとりますが、近頃はスマートフォン
の翻訳アプリも活躍します。
大会運営スタッフ、街のレストランの親切な店員、公園でトレーニングを共にした市民ランナー、英語で話しかけて
きてくれた地元の子どもたち。
開催国である韓国の文化や人々の人間味にも触れられたこともまた、素晴らしい経験でした。
私たちの製品、サービスの品質の高さが証明できたオリンピック
2年に一度のオリンピックへの参加は、バウアーファインドが試されるテストのようなものです。
私たちの製品が「最高のアスリートへの最高のもの」として、まぎれもなく響いているのかを目の当たりに確かめる
ことができる絶好の機会と言えます。
平昌オリンピックを終えた今、私たちの製品がケガをした選手たちに恩恵をもたらし感謝される、最高のものだと
胸を張って言えます。
バウアーファインドの最高品質の製品と、装具士の技術力を掛け合わせたサービスを提供し、選手と大会をしっかりと
支えることができました。
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発展のための議論もいとわず関わってくださった各国の医師や理学療法士をはじめ、今回協力してくださったすべての方の
精力的な取り組みに感謝します。
「本当にありがとう」
オリンピックの成功は、バウアーファインドにとっての成功でもあるのです。
(編集)スイッチ・オン 平野亜樹
【参考】バウアーファインド関連サイト
取扱店舗一覧
【URL】http://bauerfeind.p-supply.co.jp/shoplist/
Web販売ページ
【URL】https://www.amazon.co.jp/smarketplaceID=A1VC38T7YXB528&redirect=true&me=A2BI4P62Z0J0XJ&merchant=A2BI4P62Z0J0XJ
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