パシフィックニュース
自社企画セミナー「ワークショップ 脳血管障害後の歩行トレーニング ゲイトジャッジシステムを活用して」開催報告
補助器具
パシフィックサプライ株式会社 事業開発本部
織部陽子(義肢装具士)
2018-07-02
京都大学大学院医学研究科人間健康学専攻・大畑光司先生を講師に迎え、東京と札幌の2都市で、自社企画セミナー「ワークショップ 脳血管障害後の歩行トレーニング ゲイトジャッジシステムを活用して」を開催しました。
ゲイトジャッジを使いこなすのは難しい?
「ゲイトジャッジがうまく活用できません」
「一部のセラピストしかゲイトジャッジを使っていません」
「どうしたらうまくゲイトジャッジを使えるようになりますか?」
ゲイトジャッジを導入された施設の方や、導入を検討されている施設の方から、よくいただくご質問です。
何に難しさを感じているのでしょうか?
先ずはリサーチのため、使いづらいと感じている方々と、かつて使いづらいと感じていたが今は活用できていると
感じている方々に、ヒアリングを行いました。
その結果、多くの場合、難しさには3つの段階があることがわかりました。
- 操作そのものが難しい
- 計測したデータを臨床に活かすことが難しい
- チームアプローチに活かす体制づくりが難しい
このような課題を解決するため、今回は説明会形式のセミナーではなく、参加者同士の意見交換が行いやすい
ワークショップ形式のセミナーを開催しました。
ワークショップで「共鳴し合う」を体験する
京都大学大学院医学研究科人間健康学専攻・大畑光司先生に、講師兼ファシリテーターをしていただき、3つの課題に
プローチしました。
こちらがプログラムです。
一歩行周期を4つのphase(Early Stance, Late Stance, Early Swing, Late Swing)に分け、それぞれのphaseのポイントを解説してくださいました。
筋電センサ取扱いの基本や、ノイズの少ないデータを取るための取付け方など、計測時のちょっとしたコツも、デモンストレーションしていただきました。
第3部は、グループに分かれ、参加者の方々同士、ゲイトジャッジの計測を行いました。
普段悩んでいること、工夫していることなど、参加者同士、情報交換や意見交換をしていただきました。
片麻痺の方の基本情報と計測データから、その方の課題の発見、トレーニング立案を行っていただきました。
第1部では歩行トレーニングに必要な基礎知識の確認を、第2部・第3部ではゲイトジャッジ操作のコツと計測データを
活用した評価のポイントを整理しましたので、第4部のグループワークでは、スムーズな課題の発見につながった
グループが数多くありました。
そのため、トレーニング立案のディスカッションが白熱し、もっと時間がほしい!と感じる参加者が多くいらっしゃいました。
ゲイトジャッジはリハビリテーションの共通言語
セミナー終了後、参加者のお一人がスタッフにかけてくださった言葉です。
「今日、ゲイトジャッジデータをベースにディスカッションして気づきました。
治療を行うメンバー同士、ゲイトジャッジという同じ言語で話をすることが大切ですね。
今まで、患者さまの持つ課題は何か、どう治療していくのか、それをチーム内で共有することが難しいと
感じていました。
ゲイトジャッジはリハビリテーションの共通言語ですよ。」
今日のリハビリテーションの主流は365日のチームリハビリテーション。
チーム内コミュニケーションの質が、リハビリテーションの質を大きく左右します。
【歩行の基礎知識が評価のフレームワークになり、
ゲイトジャッジという共通言語で行うコミュニケーションは、メンバーの共鳴、チームの活性化を促す】
そのようなことを、スタッフも実感できたセミナーになりました。
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