パシフィックニュース

モーリフト導入から5年

リフト・移乗用具

リハビリテーション

札幌緑花会　緑ヶ丘療育園　支援部長(前任)出野靖子

2019-06-03

日本の介護現場から『腰痛』をなくしたい！との思いで、パシフィックニュースにリフト導入後の事例掲載を続けてまいりました。医療・介護施設の現場では、従来より『腰痛』に苦しむという共通の悩みを抱えている現状があります。

今回の原稿を依頼した札幌緑花会・緑ヶ丘療育園様から「リフトを導入してから、職員の腰痛が減りました。この施設の導入事例を寄稿することで、お世話になったパシフィックサプライさんに感謝のお返しができるなら喜んで書かせていただきます」と嬉しいお言葉をいただきました。リフト導入から5年。当初、職員から不安の声があがりながらも“安全安楽な移乗介護”を目標に、具現化された達成感が込められていました。

はじめに

緑ヶ丘療育園は札幌市内の緑に囲まれた素晴らしい自然環境のもとで、重症心身障害児者に対する「療養介護・医療型障害児入所施設」として病院機能と福祉機能を兼ね備えており、入所されている方々は医療と療養介護の支えを受けながら生活を送られています。

自施設の利用者160名の平均年齢は50才を越え、車椅子使用者は100台以上で利用者の介護度合いが高くなりました。複数職員による移乗では、職員の体格差等により不安定となる場合があり、利用者に負荷を掛けない車椅子・ベッド・床からの移乗介護について学習会を行い、同時に職員の腰痛対策に取り組みました。様々な介護用品も検討した中でリフトに関して数社のデモを実施しました。

<方法>
　数社のデモに関して
　
・コンパクトに収納。
・リフトが床から高さがあるベッドに移乗出来る。
・操作のやすさ

このような利点を確認しながらデモを行い、ビデオで紹介し周知しました。

結果

様々な意見が出た中で、安全な操作と、適切な使用が可能か不安を感じる職員が多くリフト導入には当初消極的でした。しかし、床からの移乗介護中に負荷が掛かり骨折した可能性が高い利用者の事例のあった療育棟では、積極的に導入したいとの希望がありました。

使用にあったっての操作マニュアルの作成、利用者に合わせたリフト用シートの使用、安全安楽な移乗介護を目標にゆっくり進めました。

リフトの導入当初は、セッティングに時間を要すこと、利用者の体型・状態等により使用者が限定される等の理由から２台の整備としましたが、セッティング及びリフトアップ等のノウハウを吸収し、時間短縮及び対象利用者の拡大がなされ、本リフト使用者が増えました。

その為、更にリフト使用の希望がありました。又、腰痛者の軽減に繋がり職員の腰痛対策にも効果がありました。　

終わりに

現在当施設では、1階療育棟、2階療育棟、3階療育棟に2台づつリフトを整備しておりますが、利用者によっては、1日8回使用と使用頻度も多く、リフト導入当時は8名だったリフト使用者が、現在は33名に増加しました。その為、更に使用頻度の高い療育棟に台数を入れ5年間で8台使用しています。

更に短期入所利用している利用者の保護者に入所中の使用許可を貰いリフト使用した事から、利用者も保護者も高齢になり自宅での使用希望あり、相談を受け紹介して居ます。

今後も利用回数か増加する事が考えられ、利用者の安全安楽な対応と、介護する側の腰痛対策にも心掛けたいと思います。

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今回ご寄稿いただいた緑風園では、初期導入から複数年かけて、施設内利用が増えてスリングの種類が増え、本体台数も徐々に増えていきました。おそらくリフトをご利用いただいている施設さまの中でも、リフトの稼働数が№１の施設！ではないかと思います。

このように施設内利用が増え、ご利用者様が快適に移乗でき、スタッフの方の負担軽減につながれば担当者としてもうれしい限りです。(札幌営業所・営業担当者)

腰痛予防プログラム

介護施設向けに新しい腰痛予防プログラムを用意いたしました。

介護者の腰痛予防に効果的な介護リフトを導入されているにも関わらず、有効的な利用が出来ていないというご相談を頂く事があります。
そんな施設様に「リフトの正しい知識と技術」を学んでいただくと同時に、施設ごとの課題解決の手伝いをさせて頂く、より実践的なプログラムです。

ご相談はこちらから　⇒　https://www.p-supply.co.jp/seminars/index.php?act=detail&sid=103&place_id=34