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パシフィックニュース

義足女子会 ハイヒール・フラミンゴ(NPO法人)と共に歩む!

義肢

環境整備

義足女子会 ハイヒール・フラミンゴ(NPO法人)と共に歩む!

海老根 和美 (大阪府)

2020-07-15

私が、ハイヒール・フラミンゴに参加したのは、川村義肢主催の義足ユーザーイベント「義足でやってみよう!」で声をかけてもらったのがきっかけでした。
 
ハイヒール・フラミンゴに参加して、初めて義足ユーザーの女性と話をしました。整形外科の先生、リハビリの先生、川村義肢の担当義肢装具士。義足ユーザーになってから出会った人はよく考えると全員男性でした。私の場合は、いつでも相談できる環境があり、恵まれていた事を皆さんの話を聞いて思いました。


義足になったことで、自分が自分ではなくなったみたいで、義足になる前の自分を知っている人と会うのが辛い時期もありました。

義足の種類や義足を履くことになった理由、リハビリや病院との関わり、住んでいる地域によって、行政サービスが受けられる内容に違いがあることもわかり、単純に「義足」と言っても、一人ひとり背景が違うことを知りました。



初めての義足女子会(於:川村義肢小ホール)

着物で京都を散策

初めて参加したイベントは、「ハイヒール・フラミンゴ in KYOTO」。川村義肢内の活動として義足女子会がスタートした時期のイベントでした。
 
着物を着て、お庭のあるお店でランチや写真撮影会、お茶席体験も。「参加したい!」と思ったけれど…。

 
着物は着れたとしても、草履はどうするんやろうと不安がよぎりました。自分で草履を履いたこともあったけれど、途中で何度も脱げて歩きにくい記憶がありました。
 
当日は、参加者以上の女性スタッフのサポートがあり、安心して参加することができました。着物を着て草履を履いて歩いた時、一瞬心の中に爽やかな風が吹きました。そして、知らず知らずのうちに我慢したり、あきらめたりしていることがあることに気がついたのです。

 


 
「もう一生着物なんて着れないと思っていた。」
参加されたお一人の言葉が印象的でした。

      

 

履きたい靴を履く

「春のハイヒールを選ぶ」イベントでは、履いてみたい靴を履けたことが嬉しかったです。
義足になってからは、履きたい靴よりも履ける靴を選んでいました。

足首の角度を変えることができる義足に付け替えた女性は、「人生で初めてヒールのある靴を履いた。」や「今までヒールのある靴を選んだことがなかった。」と、笑顔で話しました。



 
義足を作った時、「5センチのヒールまで履けますよ」と聞いた記憶がありました。でも、5センチのヒールを履ける角度までは足首が動かず、足首のパーツが固くて一人で動かすことも出来ませんでした。
 
このイベントはいろんな意味で大切なイベントだと思います。相談しながら、おしゃべりしながら楽しく靴を選べる喜び。特に義足を履き始めたばかりの頃は、同じ思いを共有しながら靴を選べると、気持ちも前向きになるのではないでしょうか。

義足でネイル

エステサロンやネイルサロンに行ってみたいけれど、義足にもやってもらえるのか、断られるのではないかと思うと、なかなかチャレンジが出来ませんでした。


                                                           

でも「義足でネイル」のイベントでは、好きな色を選んで、義足にはネイルチップでフラミンゴのネイルシールもつけてもらいました。義足だけれどこんなに可愛くなるなんて、自分の義足への気持ちの変化に驚きました。

「The BODY SHOP × High Heel Flamingo」

同志社大学町屋キャンパス江湖館を会場にクリスマスイベントが開催されました。テーマは 『self esteem = 自分をもっと好きになろう。自分の身体を慈しもう。』

The BODY SHOPスタッフの皆さまに、お肌チェックやメイク、ハンドマッサージをしてもらい、体と心も軽くなりました。またワークショップでは、フラミンゴのチャームを使ったアンクレット作りも楽しみました。



 

当日は、義足ユーザーのご家族も沢山参加しました。なかなか伝わりにくい義足の大変さや困りごとが少しでも共有できるようにと、模擬義足の体験が行なわれました。(模擬義足とは、健常者が義足歩行の擬似体験ができる義足)



 
模擬義足を体験した夫は「こんなに不安定なのに、歩けてるなんてビックリするし、すごい。」と話していました。どんな所が歩きにくいかなどがわかってもらえると、手伝ってほしい時に伝えやすく、私が、義足になる時に体験して欲しかったなと思います。もし家族や友人に義足になる人がいる時は、是非、模擬義足を体験してほしいです。

ユーザーフラミンゴのお話を聞く会

講師役を務めた私(後天性疾患)と、もう一人のユーザーさん(先天性疾患)とでは、積み重ねてきた思いが違うことを知りました。
 
「物心ついた時から義足で、義足側は足があって歩くという感覚がわからない」という話に、それぞれの背景や受容の違いを感じました。
 
共通していることは、子育てを経験していること。女性の義足ユーザーと出会うこともなかなかないけれど、義足ユーザーで子育てを経験している人に出会うことはもっとありませんでした。

子育てについての話では、「親に障害があることで、子どもがいじめられたりしないか」の不安や、「何かあっても一緒に逃げることが出来ない事を小さい頃から話している」ことなども共感できることがあって、涙が出ました。

   
                       
              筆者 : 写真 左       

     
   当日のグラフィックレコーディング  作:奥野美里さま(グラフィックファシリテーター) 
                                                                                                                                                                            

 

          

NPO法人ハイヒール・フラミンゴ設立

ハイヒール・フラミンゴは、今年3月にNPO法人として設立し、私も創業メンバーとして参加しました。コロナ禍で一時中断したフラミンゴカフェは、6月よりオンラインで再開。

遠方の地域の人達とも繋がることができたり、くわしく話を聞けたりと嬉しい拡がりも沢山ありました。世界の女性義足ユーザーとも繋がることができれば、是非話を聞いてみたいと思います。
 
これからは、女性義足ユーザーや下肢切断を控えた女性に対するピアサポート事業にもチャレンジしていくので、誰かの役にたてるように勉強していきたいと思います。
 
ハイヒール・フラミンゴのイベントで「義足ネイル」やフラミンゴのアンクレット作りをしていくうちに、義足に対しての気持ちが変化していきました。おしゃれな義足、かっこいい義足を履きたいと思うようにもなりました。
 
「義足だと思われたくない」そう思っていたけれど、見た目を一番気にしていたのは、自分自身だったかも知れません。
 
メンバーが話した、義足が「めがね」のように生活にとけこむように、多様な人が生きやすい社会になってほしい。自分らしく輝く義足女子が増えるように、つながっていきたいと思います。
 
ハイヒール・フラミンゴの思いがこれからも未来に羽ばたいていけますように。



 

NPO法人ハイヒール・フラミンゴ関連サイト



NOP法人ハイヒール・フラミンゴ https://www.highheelflamingo.com/        
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