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パシフィックニュース

福島お遊びキャラバン隊活動報告

感覚統合

福島お遊びキャラバン隊活動報告

福島お遊びキャラバン隊活動報告

日本感覚統合学会 会長 土田 玲子

2012-04-01

日本感覚統合学会では、東日本大震災被災地へ向けて長期的な支援活動を始めました。
放射能汚染の不安も抱える福島へ『子どもたちが外出できない』『外で遊ぶことができない』などの現状に対して学会は、親御さんの不安に対する支援を今後の取り組むべき課題として活動を開始しています。

福島県作業療法士会、地域の保健師、保育士、地域ボランティア、学生、学会会員などが集結し講演会開催や、子どもの遊びを応援する【福島お遊びキャラバン隊】の企画を運営しました。

今号では、日本感覚統合学会 土田会長よりキャラバン隊活動の経過と今後の計画を報告していただきます。

現場のニーズにアクセス

2012年2月11、12日に念願だった被災地の子ども達の支援として、『お遊びキャラバン隊活動』を行いました。

今回の震災は、被害地域が広範かつ複雑です。私たちらしい被災地支援として「お遊び活動」を通した支援を行おうと考えましたが、活動拠点を決めること、その現場で子ども達の保護者に直接アクセスすることの困難にまず出会いました。福島作業療法士県士会代表の岡本氏が、幸いにも感覚統合学会の会員でもあり、現地の代表として動いてくださいましたが、県の保健福祉課には多くの業務とボランティア希望が押し寄せており、それをうまく振り分けたり活用したりする活動は滞っているように感じました。福島県の作業療法士会自体も疲弊していました。若い会員が県外に流出し、私たちの支援を申し出ること自体が彼らの負担を増やすようで、申し訳ない思いをしました。

福島県に限らず、東北地方における発達障害児支援は、全体としてまだ課題が大きく、被災地だからというより、一般的な底上げ支援を必要としているのが現状のようです。しかし、今福島で起きている問題は障害児に限ったことではありません。そこで、福島県伊達市に在住する地域の子育てグループのリーダーに、この地域の保護者のニーズを伺うことから始めました。

この地域では、放射能の影響を恐れ、遠足も運動会も福島地域伝統の芋煮会も中止になったとのこと。週末や長期休暇には、子どもたちを県外に連れ出して息抜きしていること…。震災直後の不便は解消されても、じわじわと見えないストレスが皆の首を絞めているように感じられました。

お遊びキャラバン隊活動の様子

お遊びキャラバン隊活動の様子

お遊びキャラバン隊活動の様子

『お遊びキャラバン隊活動』意義の啓発と呼びかけ

そこで伊達市を活動拠点と決め、1月13日に「子どもの遊びを応援しよう」と題して講演会を企画開催しました。この講演会も福島県作業療法士会をはじめ、地域の保健師、保育士の方々、保健育児サークルの方々のご協力をいただき約50名の皆様に参加いただきました。この講演会によって、多くの方に「子どもにとっての遊びの意義」「活動の意義」を理解していただいたように思います。

アンケート

○ ブランコは本当に久しぶりで、トランポリン、滑り台を何度も楽しんでいました。室内でここまで用意していただきありがとうございました。(保護者)

○ ぜひまた遊びの会を開いてほしいです。なかなか外では遊べないし、室内であったとしても今日のようにプロの方についてもらうことはできないので、続けてもらえると嬉しいです。(保護者)

○ 一つの遊具でも遊び方のバリエーションがいくつもあり勉強になりました。子どもによって遊びたいものが違い面白かった。子ども一人ひとりニーズが違うことがよくわかった。(特別支援学校教員)

○ 子どもの話の中で震災以後、外で遊ぶことが本当に減っているらしく、のびのびと遊ぶ子どもの顔がとても輝いていてまぶしく感じられました。(保育士)

○ 遊びを通して子ども達の笑顔を見ることができ嬉しかったです。今、外で遊べない状況なので、たくさんの遊具で遊べ、子どもたちも嬉しかっただろうなと思います。先生方のその場のアイディアや子どもたちの接し方が勉強になりました。参加できてよかったです。(学生)

お遊び会準備

2月11日に、学会の呼びかけに応えてくださった総勢43名のボランティアが“だてふれあいセンター”に集合しました。遠くは奈良県から夜行バスで駆けつけてくださった若いOTさんもいました。

遊具の貸出しは、パシフィックサプライ、遊ぼう工房、コスインターナショナルなど、普段から感覚統合学会と関わりのある会社から協力をいただきました。皆で簡単に自己紹介をした後、グループに分かれ、机を利用した大きな滑り台やダンボールトンネルなどの遊び場作りをしました。このプロセスは、様々な地域から集まったボランティア同士の交流と結束のためにもいい活動となったようです。互いのアイディアを出し合いながら、遊び場作りのノウハウも共有できました。

遊び場の真ん中に、お母様達がお子さんの姿を見ながらくつろげる喫茶コーナーも設けました。ここでは、NPO法人、インフォメーションセンターの協力で、有機コーヒーを豆から煎って、ひいて飲んでいただく場としました。
夜はボランティアの大半が同じホテルに宿泊し、様々な想いを交流し、懇親を深める良い場になったと思います。

今後の活動にむけて

今後は、作った遊び環境をしばらく残していただき、現地で使い込んでもらえたらと思います。そのために現地の方々とさらに交流を深め、子どもたちの遊び方やリスク管理などを伝えていきたいと思います。また短時間で様々な点に目配りのきいた活動を継続して行うために、学会で4~5名の活動運営チームを4組ほど編成し、交代で活動を担うようなシステムにしたいと思います。新年度は、6月9・10日、7月1日、9月1・2日、12月、3月と活動する予定です。皆様の末長いご協力をよろしくお願いいたします。

日本感覚統合学会
※福島お遊びキャラバン隊に参加ご希望の方は学会ホームページにアクセスしてください。

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